紅葉を愛でに再び福島を訪れることになった。目的地は北塩原村の雄国山と猫魔ヶ岳だ。ところが当日の起床タイマーのセットを間違えて,起きたのは1時間遅れの5時半過ぎだった。慌てて朝食を済ませて6時40分に出発した。常磐道から磐越道に入り猪苗代磐梯高原ICで降りてR115,R459を走って出発地点の雄子沢(おしさわ)登山口に着いたのは10時を少し回っていた。よく整備されており,傾斜もそれほどでもないブナの林や栃の林の登山道を1時間ほど歩いたら雄国山と雄国沼の分岐点に到着した。
まずは標高1271mの雄国山に向かった。ゆるゆると登っていくと眼下に雄国沼が開けてくる。雄国沼は猫魔ヶ岳の噴火によってできたカルデラ湖ということだ。雄国山はなだらかな山容で,その頂上には展望台が設えられている。
山頂の展望台からは檜原湖が望める。稲刈りが終わった田んぼの上に秋の雲がくっきりと見える。反対側は宝の山の磐梯山だ。それにしても前回の一切経山で体験したような紅葉はどこにあるのだろうか。すでに終わってしまったのか,それとも,紅葉する樹木がないのか。ちょっと残念である。
お昼の時刻となったが,下山して雄国沼休憩舎で豪華なランチをとることにした。例によってのビールと,今日のメニューにはおでんが付いている。銚子おでんとか言う缶詰だが,どうも旨いとはいえない。ラーメンとおにぎりで腹一杯になってしまったのは何時ものことだ。
当初の計画では雄子沢登山口->雄国山->猫魔ヶ岳->雄国沼湿原->雄子沢登山口という山行だったが,お昼を取り終えたら1時になっていた。これから猫魔ヶ岳では登山口帰着が5時になりそうなので,今回は猫魔ヶ岳を諦めて湿原をのんびりと歩くことにした。目覚ましタイマーのセットミスがなければ猫魔ヶ岳も登れたかも知れなかったが…。雄国沼湿原は国指定の天然記念物で,夏のニッコウキスゲの大群落はつとに有名だそうだ。
湿原を一回りして金沢峠に登った。何人かの普段履スタイルの人たちと出会って不思議だったが,金沢峠に着いてみたら,ここまでクルマが入れるからだということで得心した。展望台からの雄国沼は秋の午後の陽射しを浴びて女性的な印象を受けた。金沢峠から休憩舎までの散歩道も気持ちの良いものであった。
のんびりと2時間近く沼を散歩して休憩舎に戻り,コーヒーと大福餅で一服した。これだけエネルギーを補給したにもかかわらず,登山口に戻ってきたときはちょっと疲れていた。で,カミさんの提案で桜峠にあるラビスパ裏磐梯の温泉に浸かることにした。ラビスパから雄国山に登るコース,雄国沼パノラマ歩道,は眼下の檜原湖の景色が素晴らしいそうだ。温泉はプールや大きな宴会場を備えた施設だが,その割には500円という安さであった。
今日のコースは子供連れのハイキングにもうってつけだが,はてさて孫たちはこんなハイキングに付き合ってくれるだろうか。