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毎日サンデーの爺さんの自転車,ハイキング,旅行などなどの記録

7月 012025
 

カミさんの72歳の誕生日を祝う旅は,我らにとって唯一の,未踏の沖縄県を選んだ。2025年6月30日〜7月2日にかけて,沖縄本島はパスして,八重山諸島に足を伸ばして石垣島,竹富島と西表島の旅を楽しんだ。カミさんと手分けしてネットを漁った結果,HISで航空券とホテルがパックされた3泊4日のツァーを予約した。

目一杯に遊ぼうと早朝の便で成田国際空港から新石垣島空港へ発つ便を選んだ。成田のピーチアビエーションのチェックイン機で出てきた搭乗券はスーパーマーケットのレシートのようなものだった。LCCは初体験だが,こんなものでしょうかねぇ。搭乗してちょっとビックリしたのはシートのシンプルさだったた(かなり優しい言葉を使っています)。もちろん目の前にはテレビもなく音楽を聴くイヤホンもない。当然のことのようにドリンクサービスもない。言うなれば,新幹線に乗っているようだ(シートは鉄道の方がよほど良いですが)。まぁ,格安航空会社はこんなものでしょうかねぇ。

1日目 成田〜石垣島〜竹富島(2025年6月29日)

成田から3時間のフライトで新石垣島空港に到着した。着陸前の機内からみる海の青さにカミさんも小さな歓声をあげる。空港から路線バスで離島ターミナルに向かった。路線バスのチケットは,2千円は十分に元を取れると踏んで,5日間乗り放題のフリーパスを買った。

離島ターミナルで降りて竹富島へのチケットを求めた。ふ〜〜ん,船でも燃料サーチャージを取られるんだ!? 翌々日の西表島へのチケットは予約できず,15分前までにカウンターで購入するシステムであることを確認した。

南の美ら花ホテルミヤヒラに荷物を預けて,まずは,ランチだ。ホテルの近くに八重山そばの看板を見つけて入った。麺はチャンポン麺のようでトッピングは豚肉の細切りと蒲鉾だ。モズクとマグロの小鉢つきで1,200円とは高いなぁ,と思いながらも食べた。我らの感想は「不味くはないが美味くもない」と言ったところだ。食事を終えて離島ターミナルに向かう途中,あれっ,八重山そば600円の看板だヨ…。

竹富島には15分ほどの高速船の乗船で到着した。

港からコミュニティ路線バスでコンドイ浜に向かう。

我らの目の前に広がる海。これがあの美ら海かぁ。

無料の脱衣所兼シャワー室で着替えて水につかる。が,干潮の頃だからか膝が隠れるくらいの水深しかない。カミさんはサンダル靴でスタスタと遠浅の干潟に向かって歩いていく。私はビーチサンダルなのでペタペタと歩きにくいので脱いで裸足で追いかける。が,サンゴの欠片がいっぱいな砂地は痛くて自由に歩けない。で,ワニのように腹ばいになって進む。

空も水も青く澄んでこんな海は初めて体験した。まさにこれが南国の海なんでしょうね。竹富島には山も川もないので土砂が海な流れ込まないので海の透明度が高いのだそうだ。

竹富島はまだ他に立ち寄りたいところがあるので,路線バスと帰りの船の時間を見計らって水遊びを終わりにする。年寄りにはこれくらいの水遊びで十分だった。

バスを待つ間の日陰は涼しい風が吹き抜けてさっぱりした気分だ。日陰の人生も悪くないゾ。

やがてスマホで予約した路線バスが停留所にきた。向かう先は赤煉瓦屋根の集落だ。面積5.43㎢の島には335人が住んでいるとある(2024年9月現在)。民家は石垣で囲まれ,屋根には魔除けのシーサーが鎮座している。

集落の真ん中にあるなごみの塔に行ってみる。先端までは登れないが高台からまわりを見渡すと確かに赤い屋根瓦の集落がある。

高台を降りてみるとちょうど名物の水牛車が通りかかった。かつおばさんの店で買ったアイスキャンデーをしゃぶりながらそれを眺める。おばさんに港の近くのビジターセンター(竹富島ゆがふ館)までの道を尋ねてみる。「そんな遠くまで歩いていくのかい」と島人はいう。当初の計画ではこの島を歩いて巡ろうとしたのだがね。

道筋に沖縄特有の大きな亀甲型のお墓があった。ゆがふ館では手洗いに立ち寄っただけで港に急いだ。予定したよりも一つ前の船便に間に合いそうだったからだ。

竹富島から石垣島に戻り離島ターミナルから見えるほど近いホテルに草鞋ならぬ靴を脱ぐ。まずはランドリーで水着や着衣を洗濯しよう。その間に風呂で汗を流すことにする。いつもの旅のルーチンワークだ。

ホッと一息ついて繁華街に夕食を探しに出かけた。島料理やら沖縄料理の看板の店が多いが,結局は居酒屋に尻を落ち着けた。まずはビールだ,オリオンビールだ。

料理は島野菜の餃子やらマグロの升盛りなどなどだ。石垣島では生のマグロが上がるというが果たして今食べているものがそうなのかどうかはわからない。

冷房をガンガン効かせてベッドに入り,まだ宵のうちに寝入ってしまうのはいつもの自分のパターンだった。

2日目 石垣島(2025年6月30日)

ホテルの朝食は6時半からなのでいつも6時に朝食をとっている我らにとっては好都合だ。メニューは例によってバイキング形式だ。まずは洋食スタイルでお腹を8分目にして,さらに美味しそうな和食を選んでお腹をいっぱいに満たした。

今日は路線バスを利用して石垣島を回ってみる。石垣島の西側の海岸をぐるっと廻るコースでバスターミナルから川平(かびら)公園を目指す。公園内の案内所で川平湾のグラスボート乗船券を買う。乗船料金には路線バスの利用者には割引のおまけがついていた。川平公園に観音堂があった。

 

ビーチの乗船場に降りる前に展望台からカビラブルーと言われる景色を眺める。石垣島で一番の絶景との謳いに相応しいものだ。グラスボートでの海中観察が否が応でも期待される。

ビーチからグラスボートに乗って珊瑚礁,魚群,シャコガイなどを見学した。

さらに船を操りカクレクマノミ(ニモ)やアオウミガメなどを見せてくれた。瑠璃色に輝くルリスズメダイは小さくてスマホではうまく映らなかったが,なんとか。

川平湾のグラスボート遊覧を終えて,再び,路線バスに乗る。きた道をバスセンターに戻る途中のフサキビーチで海水浴した。こちらのビーチはフサキビーチリゾートホテル&ヴィラズのプライベートビーチなのだがシーズン中は更衣室・シャワーを含めて無料で利用できる。

ビーチの水深はそこそこあって、久しぶりに海で水泳を体験した。

お昼時になったのでビーチのアクアガーデンカフェでランチをとった。一番安いメニューの島豚ソーセージホットドッグが1,430円とビールが1,000円のランチだが,リゾートホテルとしてはこんなもんでしょうかねぇ。でも,ソーセージはうまかったな。

ビーチの外れにはフサキエンジェルピアがあって鐘が設てある。カミさんのためにこの愛の鐘を一つ鳴らした。桟橋の下を覗いてみたら,あらっ,サヨリのような魚が。

帰りの路線バスの時刻が近づいたのでシャワーを浴びて,着替えてホテルマンにお礼を言ってバス停に向かった。バス停には黄色いアリアケカズラと赤いハイビスカスが咲いていた。まさに南国だなぁ。

ホテルに帰り着いて風呂に入ってさっぱりして,夕食の店を探しに繁華街に繰り出した。入った店のメニューからオリオンビールに島野菜のサラダ,島ラッキョウの天ぷら,島豆腐を選んだ。シメは島豚とレタスの王道チャーハンだ。ウ〜〜ン,満腹満腹。

明日は西表(いりおもて)島でマングローブ観察ツアーとハイキングの予定だ。やれやれ、疲れることばかりだが楽しい。

3日目 西表島(2025年7月1日)

今日の朝食は忙しかった。西表島の始発の船が7時30分で15分前には乗船手続きをしなければならない。なので朝食スタート時刻の6時半前に行列に並び15分そこそこで食べ終わらなければならない。時間が推してはいるがしっかりと朝食をとった。フロントでチェックアウトを済ませて目の前の離島ターミナルに急いだ。そうなのだ,このホテルには2連泊しか空きがなかったので,今晩は別のアパホテル石垣島に宿をとったのだ。

西表島の大原港(正式には仲間港)には45分ほどの高速船の旅だった。港のロビーでしばらく待つとレンタカー会社からの迎えが来た。レンタカーを借りて島の反対側(北側)の上原港まで走った。制限時速は40kmだが道路がガラ空きなのとジャングルクルーズの出発時刻に間に合わせるように,スピード違反だが,60km/hで飛ばした。あとで聞くと,40km/hの制限スピードはイリオモテヤマネコを撥ねてしまわないようにとの配慮とか。

上原港を過ぎて沖縄県の最大の川である浦内川の河口近くの乗船場に廻る。そこで手続きをして,いざ,ジャングルクルーズに出発だ。ここではシーカヤックの体験ツァーなどもあるが今回は浦内川ジャングルクルーズ&マリュドゥ・カンビレーの滝トレッキングのコースだ。合わせて3時間半を予定している。

船長の解説付きでマングローブを眺め,昭和30年代までは集落があった場所などを望みながらクルーズを続ける。マングローブとは樹木の固有名ではなく,河口や汽水域に生息する植物の総称とのことだ。根っこのかたちもタコ足状や板根状やら多様だ。30分ほどのクルーズで岩だらけの上流船着場に到着した。

ここから亜熱帯のジャングルを歩く自由トレッキングの始まりだ。川沿いに続く小道はよく整備されている。そうだここは世界自然遺産の西表島だったんだ。

30分ほど蒸し暑い亜熱帯ジャングルを歩いてマリュドゥの滝の展望台に着いた。日本の滝100選の一つだそうだ。説明によれば,マリュドゥとはマリ=丸い(滝壺のかたち)とユドゥ=淀み,に由来するそうだ(マリの他の説明に水が廻るもあり)。

遊歩道に戻りさらにカンビレーの滝を求めて進む。視界が開けカンビレーの滝が目の前に姿を見せた。カンビレー(カンピレー)の滝の名称はカンピリ=神が座るに由来するそうだ(カンピライ=神々が交際するに由来するとも)。これまでの亜熱帯ジャングルはじっとりと蒸し暑かったが、滝の近くは爽やかな風が吹き渡っていた。河原まで降りて遊んでいるクルーもいるが我らは止めて来た道を戻ることにする。

大きなシダが繁り,映画のジュラっシックパークの世界にいるかのようだ。道の途中の先ほどのマリュドゥの滝へ降りる階段に入ってみる。しかし階段は最後の部が壊れていて滝の河原には降りられない。丸い滝壺を見るのは諦めて引き返す羽目に。

2時間ほどのトレッキングを終えて再び上流船着場に戻る。クルーズ船のお迎えを待って下流の船着場に戻った。

ジャングルクルージングと亜熱帯の森トレッキングを終えて,上原港の近くのレストランを探してお昼を食べた。私はゴーヤチャンプル定食を,カミさんは島豆腐チャンプル定食を注文した。島のゴーヤは思ったよりも苦味がなくて食べやすかった。ゴーヤチャンプルの評価を変えざるを得ないな。ここのレストランでお土産にパイナップルとシークワーサーを買った。

食後のドライブでは大原港に戻る途中の西表野生生物保護センターに立ち寄った。イリオモテヤマネコをあれこれをじっくりと勉強してきた。ここに立ち寄る途中で、車の前を横切る親子らし黒い動物に出会った。 多分、西表山猫じゃないかとカミさんが言うけど。

レンタカーを返却して大原港に送ってもらい石垣島への連絡船に乗った。帰りは海がちょっとばかり荒れてダイナミックな船の走りを体験した。

石垣島に戻り、アパホテル石垣島にチェックインした。風呂とシャワーでさっぱりして最後の八重山諸島の夜を満喫しに街に出かける。居酒屋を探してぶらついていたら,姉ちゃんの呼び込みに引っかかった。その店のメイン料理は魚の缶々焼きだという。煎餅缶に魚を入れて蒸し焼きにするという。今日の魚はハタの仲間のミーバイだ。ポン酢で食べるミーバイを自分はパクパクと食べて,綺麗に骨までしゃぶってしまった。

オリオンビールに海ブドウのサラダや島野菜の漬物はよくマッチした。それにしても三日間よく食べて呑んだなぁ。

4日目 石垣島〜成田(2025年6月30日)

シンプルな朝食をゆっくりと食べて帰り支度をした。帰りの飛行機は11時30分なので繁華街にあった公設市場でお土産を見繕うと立ち寄った。しかし,開場は10時ということでバスの時間を考えてパスせざるを得ないかった。意外なことにファミリーマートに手頃なお土産があったので息子たちと義姉のために買い求めた。

出発便は20分ほど遅れて新石垣空港を発った。帰りの便には行きの便が満席だったのに比べて空席が目立った。カミさんは窓から宮古島や沖縄島などの島々を同定するのに忙しい。

3時間余りのフライトで成田国際空港に降り立った。忙しい島旅だったが充実した旅だった。できればもっとのんびりとしたかった。ビル群のない島でのんびりと泡盛でも飲んでみるような。