前夜,カミさんが「明日,どこか行きたいねぇ」とお誘いがあった。「ハイキングかサイクリングかドライブか?」と問えば「あなたは肩が痛くてハイキングは無理でしょ」というのでサイクリングに決めた。「どこえ」ということになったので,かねてから行きたかった南房総フラワーロードを走ることにした。千葉県は隣の県だが館山となるとちと遠い。だが高速道路があるので3時間ほどで行けるだろう。
ということで早朝6時半に出発した。当初はR408で成田ICから東関道に乗り,京葉道路,館山道で行くつもりでスタートした。R408に入ったところでカミさんがナビの地図を見て「栄橋からR356, R16を走り穴川ICに行った方が近い」というのでターンして栄橋に向かった。ところが,出勤時間には早いはずだが,利根川を渡る栄橋で渋滞に嵌まった。ようやく抜けてR16に入ったが,穴川ICの手前でまたまた渋滞に遭ってしまった。ようやくのことで高速道路に乗れて館山駅に到着したのは10時を過ぎていた。駅裏のパーキングでバイクを組み立てて館山駅をスタートしたのは10時30分だった。
R128を東進し,JR内房線の九重駅の手前で県道187号線に入って千倉駅を目指した。九重駅を通過したのは出発して30分ほどだった。九重駅は無人駅なのか,まわりは閑散として寂しい。
千倉駅前で海岸にターンして房総フラワーラインに入った。波しぶきを被るような防波堤脇の道路がサイクリングロードかと思って入ってみたがあちこちが砂に埋もれていて押し歩きを余儀なくされた。早々にフラワーロードに戻り千倉漁港に至った。
漁港近くの工場の中で数人がなにやら作業していたので覗いていたら「中に入って見て良いよ」とおばさんが声を掛けてくれた。聞けば房州節というサバの加工品の出荷準備ということだ。サバを煮て乾燥し,燻蒸してカビを付けたものを箱詰めしていた。半年掛けて作った鯖節は蕎麦の出し汁に使うそうだ。照れる社長さんとツーショットを撮れというおばさんに煽られてカミさんが悪乗りして,はいチーズ。
なんとなくカーブしているように見える水平線を眺めながらフラワーロードを快調に走り,道の駅ちくら潮風王国に到着した。タイミングよくお昼時なので,はな房に入った。カミさんは海鮮丼を自分は鯛のあら煮を注文した。あら煮は2匹分のアラを使ってボリュームたっぶりだったが,完食してしまうほど旨かった。しかし,海鮮丼もあら煮もちょっと値が高いね。
食後は魚市場,構内,磯を散歩した。波の浸食で出来た洗濯板のような磯はレーサーシューズでは歩きにくいことこの上ない。
ポピーやキンセンカ畑が並ぶフラワーロードをやや向かい風に逆らって走り,房総半島最南端の野島崎灯台に到着した。遊歩道は,人出が少なかったので,自転車で回ることができた。
水分を補給しようと道の駅白浜野島崎に立ち寄った。ここはこじんまりとした道の駅だった。
付近の案内図によれば,近くに日本の橋100選のめがね橋があるというので向かった。めがね橋は明治21年の石造りの橋だ。アーチは三連でもめがね橋だろうか。
めがね橋から河口に下りサイクリングロードを走ろうと思ったが,川を跨ぐ橋は老朽化して通行禁止となっていた。おそらく先のサイクリングロードも砂に埋もれているだろうと予測してフラワーロードを走った。平日と言うこともあってクルマは少なく,路肩の砂溜まりに注意さえすれば快適なツーリングロードだ。
ほどなく大きなフラワーパークのある道の駅南房パラダイスに着いた。カミさんは「昔,蝶々が舞っているこの植物園にきたことがある」と言う。ソフトクリームでも食べようかと思ったが400円はチト高いんじゃない。ソフトクリームは止めてボトルのお茶で喉を潤した。
この道の駅に限らず,房総の道の駅にはサイクルラックが設えてあった。ツール・ド・千葉などの成果が反映されているのだろう。
そろそろ疲れてきたが洲崎灯台に向かうことにした。カミさんは地図を見て「こんなにグルッと回るの」と心細そう。
洲崎灯台には階段を上らなくてはならないが,ちょっと引き気味のカミさんを励まして行ってみることにした。
灯台の43km向こうに大島が見える。すぐ近くには鋸山と富山も見える。残念ながら富士山はカスミの彼方で望むことはできなかった。目をこらせば,海上自衛隊館山航空基地に向かうのだろうか,軍用艦が見える。
洲崎灯台からはようやく追い風になりカミさんも楽をしたようだ。
館山駅に戻ってきたのは4時を回っていた。大した距離ではなかったが,けっこう疲れた。
走行距離は58.7km,走行時間は3時間2分,総時間は5時間半のツーリングだった。帰りは宮野木JCTから東関道に入り,成田ICからR408を経由して帰宅したら3時間であった。