9月 262025
 

2025年9月24日〜26日にかけて秋田駒ケ岳と宮城県の栗駒山をハイキングした。 秋田,岩手,宮城県にまたがる東北の旅である。いつものようにカミさんのリクエストに応えての行動パターンである。

当初の計画では新幹線とバスを使っての旅&ハイキングだった。しかし予算を聞いてみるとクルマを使った方が安上がりと気がついた。つくばから常磐道,東北道で盛岡を経由して田沢湖,乳頭温泉から秋田駒ケ岳に登コースと乳頭温泉から岩手県を経由して宮城県の栗原市の栗駒山に登るコースを2泊3日の鉄道とバスでの旅は無理がありそうだ。幸いにも高速道路の深夜割引の見直しはまだ実行されてないので午前4時前にICに入れば3割引となることがわかった。これならば,ちょっとキツイかもしれないが安上がりで効率よく旅&登山ができるだろう。

1日目 自宅〜秋田駒ケ岳・乳頭温泉(2025年9月24日)

午前3時半に自宅を経って常磐道・東北道を走り11時に田沢湖の近くの秋田駒ケ岳登山口(駒ヶ岳八合目)に到着した。出がけの天気予報では25日はこの地方は終日雨のようだ。それで到着日の24日に秋田駒ケ岳登山を強行することにした。歳甲斐もなく弾丸登山である。

駐車場から望む秋田駒ケ岳の山頂には雲がかかっている。八合目避難小屋の脇の水場から11時15分に登山道に入り片倉コース(新道コース)を歩く。途中で旧道が合流する。登山(通行)禁止とは書いてないが手入れもされてなくおすすめできない,とある。(帰路は誤ってここを通ったが,まさに危なかった)

秋田駒ヶ岳は1,630mの男女岳(おなめだけ),男岳(おだけ),女岳(めだけ),小岳(こだけ),横岳などから成るが,今回は頂上を極めたのはコース途中の片倉岳と横岳だけだ。6月下旬から8月中旬までは美しい高山植物の宝庫とも言われるほどの百花繚乱のお花畑に出会えるようだ。今回は紅葉が目的だが,それもどうやら一足以上早そうだ。敢えて頂上を目指さないフラット登山を実行したと思えばいい訳か。

急登し,熊に注意しながら(?),白っぽい平坦地を歩き再び急登する。駐車場からスタートして45分ほどで開けた片倉展望台に到着した。眼下に田沢湖が一望できた。ゆっくりしたいところだが風が強くて一休みもままならない。

男女岳は少し紅葉しているかな。平坦な路を進んで行くと木道に出会った。そこをさらに進むと阿弥陀池の向こうに避難小屋が見えてきた。この避難小屋の脇で昼食をとった。風が強かったのでコンロは使わずに持参したポットのお湯で味噌汁を作りおにぎりと缶詰のサンマの蒲焼でお腹を満たした。次回はもっと大きいポットを持参しよう,とカミさんとガッテンした。

昼食が済んで秋田駒ケ岳の最高峰の男女岳を極めよう身支度をする。しかし,カミさんがムーミン谷の紅葉を見たいというので頂上アタックは断念して横岳に向かった。横岳から降りながら見るムーミン谷は紅葉には程遠い光景だがとにかく降りてみよう。

ゴロゴロと転がりそうな石の路を下っていくと黒々とした火山砂の大焼砂だ。ズルズルと滑りそうなので慎重に下っていく。再び田沢湖が見てくると男岳分岐でムーミン谷に降りる火山砂の下りが始まった。ここは気を遣って降りないと滑落しそうな路だ。

やがて木道を歩くことになりリンドウに出迎られる。注意してみると,すこ〜し紅葉しているかな。もう少し後の季節になればこのムーミン谷の雰囲気はもっと良かっただろうな。

駒池の向こうに男岳が見えてきた。この先の男岳と阿弥陀池の間の稜線分岐への道の険しかったことと言ったら… カミさんのヘタリ具合は酷かった。自分は週一の筋トレの効き目が発揮されてカミさんを先導して励ます余裕が残っていた。ようやくのことに稜線分岐について阿弥陀池を拝むことができた。やれやれ。

阿弥陀池から駐車場に戻るコースは,再び横岳に登って焼森に下る焼森コースだ。しかしカミさんは横岳へは向かわずに阿弥陀池避難小屋のすぐ脇のコースに入り込んだ。コースの前半は木道だったが後半の花崗岩の砂場に至って今歩いているコースは焼森コースではなく,旧道コースに間違って入り込んだのだと気づいた。私もカミさんももはや焼森コースに戻る元気もなく,とにかく前進することした。旧道コースの後半は踏み跡がわずかに残っている登山靴の幅が精々くらいのグズグズの小径だった。最後は道すら不明瞭な我らにとっては危険なコースであった。それでも滑落することもなく無事に16時05分に出発地点に戻れた。駐車場には我らの車の他には乗用車1台と客待ちのタクシー1台だけだった。

 

今日のコースは9.59kmを4時間30分かけた行程だった。自分の消費カロリーは794kcalだった。

今宵の宿は「休暇村乳頭温泉郷」にとった。夕食はバイイング形式だが,内容は地元の食材をふんだんに使ったものだ。鮎の塩焼きや田楽に加えて,クリームチーズを塗ったいぶりがっこに舌鼓を打った。とても好感が持てたこの宿のサービスは,係員が席を回りながら姫竹(ネマガリタケ)の焼き物を配ってくれたことだった。また料理ごとにシェフが注文を聞いて調理してくれるスタイルはありがたかった。

夕食のデザートは部屋へのお持ち帰りオーケーということだった。腹一杯にもかかわらず焼き栗,コーヒー,アイスクリーム,プリンなどを別腹に詰め込んだ。

2日目 乳頭温泉〜横手市〜宮城県栗原市(2025年9月25日)

いつものように早起きした。まだ雨は降ってないので宿の周辺を散歩した。ブナ林を散歩がてらカミさんが昨晩の宿のプチ行事の星空観察の話をしてくれた。自分はすっかり疲れてその上に酔っ払ってしまってDNS (Do Not Start)していたのだ。辺りの照明もほどんどない闇での星空観察はとても素晴らしかったそうだ。

ちょっと足を延ばすと鄙びた佇まいの温泉宿が渓流のわきに。この奥の乳頭温泉郷は朝食後に尋ねてみるとするか。

宿の朝食は和食にした。久しぶりの卵かけご飯を,とっても旨い,漬物でいただいた。

チェックアウトして乳頭温泉郷の鶴の湯に行った頃は予想通り雨だった。鶴の湯はかなり前から予約しないと泊まることが難しい秘湯だそうだ。部屋ごとに囲炉裏があって食事をとるスタイルだとカミさんが解説してくれた。

今日の雨を予想して,予定を変更して,昨日の強行登山が正解となった。休暇村の宿のフロントで仕入れた情報によると横手市の秋田ふるさと村・秋田県立近代美術館などが面白そうなのカーナビに行き先を入力して秋田駒ケ岳を後にした。

2時間ほど車を走らせて横手市の秋田ふるさと村に着いた。そこは道の駅,美術館,工芸館,体験工房などが融合したテーマパークのような施設と言ったらいいだろうか。

 

お昼は施設内の食事コーナーで横手名物の焼きそばを試した。目玉焼きと大切りの豚肉が売り物なのだろうか。

食後は秋田ふるさと村に併設された秋田県立近代美術館に行ってみた。有料の常設展はパスして「余白を愉しむむ」企画展示を鑑賞した。絵心のあるカミさんの解説を聞きながらの鑑賞でなかなか興味ある時間を過ごした。

美術館の上層階からの秋田ふるさと村のいろいろな施設や周辺の展望を楽しんだ。そのあとは一般道を走り岩手県の須川温泉を抜けて栗駒山(須川岳)を迂回して宮城県栗原市の栗駒山の麓に移動した。

途中の矢櫃ダムや栗駒ダムを眺めながらの山道を走ること2時間ほどで今夜の宿「ハイルザーム栗駒」に着いた。

 

宿は冬場にはスキー客で満員になるだろうが今晩の宿泊客は我々の他には2家族だった。夕食メニューは我らにとっては予想外に豪華な者だ。明日の栗駒山登山に向けてしっかりと栄養補給をした。

 

3日目 栗駒山〜自宅(2025年9月26日)

翌日の朝はピーカンの天気を迎えた。今朝も和食で十分にからだに栄養を満たした。

9時にいわかがみ平の登山口に到着した。計画では東栗駒山(1433.6m)を経由する東栗駒コースを考えていた。しかし昨日の雨で沢の渡渉が危険と見て比較的楽な中央コースをとった。栗駒山はNHKテレビの旅番組で「神の絨毯」と讃えられた紅葉の名所であるらしい。

レストハウス脇に中央コースの入り口を見つけ,石畳の登山道を登っていく。ほぼ真っ直ぐな道を少しづつ高度を稼ぎながら登ると次第に景色が開けてくる。青空が見えてきて気持ちが良い山行だ。西側の虚空蔵山あたりは薄雲がかかっている。登山道脇の樹木に紅葉の兆しが伺える。

やがてなだらかな場所に出会う。辺りはまさに紅葉が始まろうとしている頃合いだ。この辺りがNHKのテレビ番組で紹介された「神の絨毯」と紹介されたところだろう。自分には「神々の庭」との感想を抱くが。

あと少し,もうちょっとと紅葉の盛りには早いが,十分に景色を堪能して頂上に向かって穂を進めることにする。やがて急斜面となり階段が始まった。眼下には宿泊したハイルザーム栗駒と登山口の駐車場が望まれる。もう一息で山頂だとカミさんを鼓舞する。

階段を上り詰めるとようやく標高1625.5mの栗駒山(須川岳)山頂に到達した。風が強く吹いて,昼食どきだが,とてもゆっくりと休息する状況ではない。幸いにも朝食をたっぷりととっての登山であったのでそれほどの空腹は感じない。で,非常食とエネルギーバーと水を補給しただけで下山を始めた。

ピストン登山を終えてレストハウス・駐車場に戻ってきたのは12時45分だった。その足で昨晩の宿のハイルザーム栗駒に戻りランチをとった。宿を立つ時に温泉には自由に入れることを聞いていたので,登山の疲れを癒すことができた。

今日の山行は7.11kmの行程を3時間20分ほどかけたものだった。消費カロリーは656kcalと一昨日よりも軽い登山だった。カミさんもそれほどの疲れではなさそうで一安心だ。

Kurikomayama 2 1.

お腹も満たしたし,温泉で疲れも取れた。まだ14時だから帰宅して寝るまでの時間はたっぷりある。というわけでハイルザーム栗駒のカウンターのポスターで見かけた栗駒山麓ジオパークビジターセンターを訪ねることにした。センターは廃校の小学校をリニューアルしたもので「自然災害との共生と豊穣の大地の物語」をテーマにしていた。壁面と床面を利用した巨大スクリーンに投影された栗駒山の神の絨毯の映像で本格的な紅葉を味わった。

東北自動車道の若柳金成ICに向かう途中の「山の駅くりこま」で宮城産ひとめぼれの新米を我が家と息子たち家族へのお土産にした。

帰宅したのは20時を回っていた。さて次の旅はどこだろう?

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