三連勝クラブ・シニアチーム創立20周年の記念ツーリングとして「ときわ路ツーリング」を催行した。実はこのツーリングは11月6日に実施する予定だったが雨で中止となり,11月20日に順延された。しかし,何の祟りかこの日も雨で中止となった。雨男となってしまったリーダーのFさんの執念で3度目の正直で今日の日になった次第だ。幸いなことに,2度あることは3度あるの諺は当てはまらず天候は晴れ・曇りであった。残念なことには参加者が4名と少なく,記念ツーリングとしては寂しいものになった。
予定通りの二番電車の最前列車両に四天王が乗り込んだ。この時刻の外気温は少し肌寒く,電車の座席の暖房が心地よかった。そのせいで,当初の降車駅の東海駅を終点の高萩に変更してしまった。座席のぬるま湯にどっぷりと浸かった爺さん達であった。
高萩駅で自転車を組み立て,「お揃いのユニフォームがお似合いですね。あらっ,もっと若い人たちかと思ったわ。」とお褒めを頂いたご婦人連に記念写真をとってもらい,まずは花貫渓谷の紅葉を愛でるべく国道461号に乗り入れた。
花貫ダムへのR461はダラダラと登りが続いたが一糸乱れぬ(?)トレインを組んでダムを目指した。ヒルクライムで暑く(熱く)なったからだをダムの紅葉が癒してくれた。このダムは海が見えるダムとして知られているが,今日は海は望めなかった。
花貫渓谷の道路は,軽車両も進入禁止と固く注意されたので,押し歩きを余儀なくされた。渓谷随一の名所の汐見橋の紅葉は少し盛りを過ぎていたように感じた。
小滝沢キャンプ場で渓谷を離れ再びR461に戻った。相変わらずのヒルクライムコースが続く。花貫物産センター「清流の郷」でショータイムを取った。電車内でさんざん食べたはずのSさんはここでも豚汁を仕込んだ。
ここから標高552mの市境に向かって勾配はきつくなっていった。リーダーのFさんの軽快さに比べるとNさんは辛そうだ。エネルギーを十分に補給したSさんも快調にNさんをフォローしていく。ようやくのことに快適なダウンヒルが始まったが今日のNさんの下りはちょっと慎重だ。
R349(茨城街道)に出会って快適なダウンヒルが終わった。クルマの少ない旧道を北上していく。新道に合流したところで振り返ってみると案山子祭りの会場を通り過ぎていることがわかった。戻って何かを食べたりするとお楽しみの蕎麦が入らなくなるから,という理由で案山子祭りはパスして,更にダラダラ登りを北上する。やがて猪ノ鼻峠への県道22号の交差点に出たが,そちらは通らずに今回の新ルートである県北北部広域農道を目指す。途中の(2009年のときわ路ツーリングでお昼を取った)「うな昭」を横目に見ながら四天王は快調に走った。
R349を広域農道に入るところは福島県との県境の明神峠だ。
信号が一つも無い広域農道のダラダラ登りをさらに進んだ。花立山脇の常陸太田市との境の標高484mの峠で登りは終わった。ウェア—のジッパーを閉めてダウンヒルコースに突入した。Nさんが先頭を切り,Sさんが続いていく。ダウンヒルコースは県道195号線を左折し,県道22号線を右折して小生瀬十字路でR461に入り,新月居トンネルを抜けて袋田まで続いた。途中の震災による道路工事のダートが数カ所あり,パンクと転倒に注意しながら蕎麦が待つ「ふじた」を目指した。
「ふじた」では大女将が出迎えてくれた。
巻繊ザルを注文した。蕎麦は田舎風の太さであったが,どうもつなぎが多すぎて蕎麦の香りが漂ってこない。先日,蕎麦打ちで打った自前の蕎麦の方が旨いと思った。それにしても店内にはひっきりなしに客が入ってくる。袋田の滝も人出で一杯だろう。
「ふじた」を後にしてR118を,久慈川を何度も渡りながら,30km/hのスピードで常陸大宮に降っていくことにした。ところが山形宿駅の手前の岩井橋でFリーダーの前輪がパンクした。修理が済んで近くの「舟納豆」でショータイム。ここの納豆は旨いけどちょっと高いので店に入らずにパスして常陸大宮を目指した。
常陸大宮駅に着いて自転車を降りたところで14時33分の水戸行き列車が入ってきた。自転車を分解する暇も無く列車は出て行った。次の列車まで1時間以上も待つことになるので取り敢えずR293で常陸太田駅に向かうことにした。
R293は常陸太田の手前で西山荘の脇を通っている。Sさんが西山荘とは何かと聞くので「水戸黄門さんの別荘ですよ。茨城県民ならば常識ですよ」と答えると「私は千葉県民なので」と言う。そうか,今日の四天王はSさん以外は茨城県民なのだ。
新装なった常陸太田駅に到着したのは,15時12分の水戸行きが出発した2分後であった。次の列車までは小一時間あるので,当初の予定通り常磐線の東海駅に行くことにした。
常陸太田から再びR293に戻り,里川橋を渡ったところで里川サイクリングロードに入った。暮れなずむ里川河畔を久慈川サイクリングロードに合流して常磐高速,国道6号の橋の下をくぐり,留大橋で久慈川を渡った。
夕日に照らされて,東海駅に到着したのは16時ちょうどだった。この1分前に水戸行きが出発していた。よくもまぁ,列車・電車に見放された今日の輪行だ。しかし,次の電車までの20分あまりでゆっくりと自転車を分解・梱包することが出来た。
勝田駅で上野行きに乗り換える前にキオスクでビールを買い込んだ。Nさんはすでに東海駅からコップ酒で喉を湿らせていた。それほどの汗をかくような天候ではなかったが,ビールはスンナリとからだに入っていった。
本日の行程は105.5km,実走時間は4時間50分,総時間は7時間であった。持参したGPSは前日に充電しておいたにも拘わらず花貫ダムで電池切れになっていた。NさんのGPSも袋田で電池切れとなって,全行程のトラックログが取れなかった。
かくして,本年の三連勝クラブ・シニアチームのツーリング計画は終了した。