10月 272007
40年振りで歌舞伎を鑑賞した。国立劇場の大劇場での「平家女護島ー俊寛ー」と「昔語黄鳥墳ーうぐいす塚ー」の出し物を,職場の厚生事業のために,1等A席が1/3の料金で見ることができた。松本幸四郎,坂東彦三郎,市川段四郎,市川染五郎,中村芝雀,中村東蔵,中村梅玉などの出演であった。
俊寛は第一幕の六波羅清盛館の場のストーリーが理解できなかった。セリフも義太夫も理解できない。しかし,第二幕の鬼界ヶ島の場はよく分かった。見始めた頃は,セリフと演技がややオーバーで滑稽に,舞台進行がスローモーに感じたが,終りに近づくにつれて,見ていて何やらワクワク,ゾクゾクする自分であった。
うぐいす塚はセリフも分かりやすく,セリフだけでストーリーが十分に理解できた。驚いたことには「お尻かじり虫」の歌が飛び出したり,トンボが切られたりの舞台であった。染五郎の鼓,太鼓の独演も圧巻だった。
「音羽屋」「高麗屋」などなどの掛け声が客席から浴びせられ,見栄を切る場面では大きな拍手が湧いた。先だってのミュージカル「ウィキッド」のときは素直に感動して拍手ができたが,今回はタイミングが分からずであった。
ミュージカルが「ウヮ〜ッ」っと一気に盛り上がるのに対して,歌舞伎のそれは「ジヮジヮ〜」というものであった。ウィキッドとは別の意味で興奮した。でも,カミさんはやや冷ややかであった。機会があれば,40年前の仮名手本忠臣蔵をもう一度見てみたいものだ。