長男の嫁の紹介で,思いがけなく味噌作りが体験できた。主催は栃木県上三川町にあるNPO法人民間稲作研究所有機農業技術支援センターのみそ作りの会だ。息子の住まいのすぐ近くに昨年出来たセンターだそうだ。まずは材料費(味噌5kg分の4000円と昼食代500円x2)を受付で支払った。センターで聞いた講義は塩とNaClの違い,農薬の話題だった。驚いたことには世界国別農薬使用量(OECD, 2002)は日本が1.5トン/農地平方キロでトップであり,韓国が1.29トンで続いていることだ。虫を殺す農薬が人体に無害なはずはないのだが…
この味噌作りのイベントには地元の有志の協力もあった。子どもたちには竹笛と竹とんぼのプレゼントだ。大人には,地元ではテゴ(手籠)という藁で編んだカゴだ。これは参加者で競売をやってもらうという。昔はこのテゴに麦の種と腐葉土を混ぜたものを入れて麦蒔きをしたり,ジャガイモをいれたりしたそうだ。後継者がいないことを製作者は嘆いていた。どうか明日の味噌作りが終わったあとの競売で高値がつきますように。
会場にはヤギやチャボもお目見えして子どもたちを喜ばせている。地元産の野菜や花や有機石鹸などが販売されている。
味噌作りのコースでは,煮大豆を受け取るところで行列ができるというので,先にお昼を頂くことにした。お昼は搗き立ての餅,具沢山の豚汁とバリパリのハクサイのお新香だ。辛味餅,餡餅,きなこ餅,納豆餅をたらふく頂いた。カミさんは,風邪をもろともせずに,子どもたちの面倒見にかかりきりだ。
そうこうするうちにピッツァが焼けてきた。アツアツのやつをカミさんも嫁さんも堪能したようだ。
このセンターではビール用の国産の麦芽もつくっているという。国産100%の麦芽を近くのジョイフル本田のブリュワリーで醸造してもらっているそうだ。まだ売出していないようだが一本あたり600円の寄付金で試飲をさせてくれた。買うのではなく,寄付したのです(こうしないと酒税法違反になるそうです)。銘柄は白鷺の恵と,上三川町に因んだ名前で売り出すそうだ。とてもフルーティな味だが,ちょっと物足りないような気もする。でも,カミさんともどもサーバーから三杯も飲ませていただきました。アツアツのピッツァに良く合いました。
さて,煮大豆の行列も短くなってきたので,いよいよ味噌作りに取り掛かった。5kgの味噌に仕上げるためには煮大豆を2.9kg,麹を1.6kg,塩を500g必要とする。モチロンのこと有機大豆,有機米の麹,自然海塩を使うことになる。まず始めに麹と塩を良く混ぜる,ここに潰した煮大豆を投入してさらに良く混ぜる。麹の香りがあたりにプ〜ンと漂っている。手の中で煮大豆と麹をグチャグチャ混ぜる感覚がなんとも良い気持ちである。ハンバーグのネタづくりのようだ。と,ここまでやってきて貯蔵する容器を忘れたことに気がついた。で,ここまでをビニール袋に詰めて持ち帰ることにした。
さて,自宅に帰って味噌作りの再開だ。まずは,ハンバーグの要領で団子にしてペチャペチャ叩いて空気抜きをする。この団子を容器に詰めるときに叩きつけるように投げ入れてさらに空気抜きをしていく。容器の入れたらその上から50gの塩(もちろん自然海塩)をかける。しかし,我が家の容器の口は広いのでさらに50gを追加した。これを密封して冷暗所(北側の部屋の納戸)に保管するのだ。梅雨を越せば食べられるそうだが,秋になるとさらにうまくなるという。我が家で味噌作りをするのは今回が四回目だ。一昨年は甘めだったが,昨年の味噌はまあまあの出来だった。さて今回はどうでしょうか,お楽しみ。