三連勝クラブ・シニアチームの2月定例行事は恒例の東京サバイバルウォークだ。今年はベテランのI藤さんがリーダーだが,昨年末の忘年会では途中離脱は御法度を宣言して会員に「サバイバル」であることを強いた。が,年が明けての参加募集の際はO会長が取りなしてか途中離脱オーケーとソフトな調子の要項が発表された。
当日7時に我孫子駅に集まったのは13名の善男善女だ。途中から3名が合流する予定である。I藤リーダーのブリーフィングの後,まずは元気な姿の出発前の記念写真を近くに居た高校生に撮ってもらった。7時05分にアンディアーモ(レッツゴー)。
手賀沼湖畔に向かって嘉納治五郎の農場跡地などを横目に,畦道で水田を横断して40分ほど歩いたところの北柏ふるさと公園でショータイムだ。ここで,新品のトレッキングシューズで参加して,靴擦れを起こしたS名さんの足を治療した。T井さんは写真屋さんと薬屋さんの掛け持ちで大忙しだ。
元気に柏ふるさと大橋を渡り,柏市文化会館を抜けて旧水戸街道に出た。柏駅前の柏神社でM浦夫妻と合流した。ここまで1時間ちょっとだ。
南柏東口交差点でO会長と合流してメンバー全員が揃った。今は常磐線で随一の賑わいを見せる柏市だが,江戸時代は幕府の軍馬放牧場の小金牧があったきりで宿場ではなかった。小金牧は6の牧から成り,現在の流山市,柏市,野田市,鎌ヶ谷市,松戸市,船橋市,習志野市,千葉市,印西市,白井市を含む広大な地域で総面積は1万5千町歩(150平方キロメートル)余りだったという。享保のころ(1721)には1200頭の野馬がいたそうだ。現在の柏駅辺りは六牧のうちの上野牧(かみのまき)であったらしい。
松戸に入り,歩き始めて2時間の根木内歴史公園でショータイムを取った。16世紀に築城された根木内城跡に入ると城内の堀跡に溜まった水が厚く凍っていた。城跡を抜けると国道6号線だ。
R6から直ぐの根木内交差点で再び旧水戸街道に入った。旧水戸街道は北小金駅前で直角に曲がっている。そこに立派な道標があった。そうだ,日本橋から我孫子までの旧水戸街道探訪をやらなくっちゃ。
530年の歴史を持つ東漸寺と江戸時代末期に建てられた旅籠「玉屋」を眺めながら旧水戸街道の小金宿を歩いて行く。このあたりは旧水戸街道の匂いが色濃く残っている。
騒がしいR6に合流し,馬橋の中根立体入口を過ぎて北松戸駅前交差点の先でR6を離れ,山﨑製パンを眼下に見て常磐線を渡った。学生時代の夏休みにここで足アーチの研究調査をさせてもらったことを思い出した。
4時間歩いて松戸神社に着いてショータイムとなった。ここで数日前から過敏性腸症候群の気があった自分はダイタイムをとった。スッキリして参拝ができた。
松戸神社からは江戸川堤防に上がってやれやれと記念写真を撮った。真っ白な雪を被った富士山を眺めながら歩を進め,予定を変更して矢切の渡しで東京に足を踏み入れることになった。矢切の渡し船の初体験者もいてI藤リーダーに感謝,感謝だ。
昨年の渡船料は100円だったが今年は200円に値上がっていた。そのためか出航時は櫓を使って情緒を醸し出してくれたが,やがて風に押されて次第に川下に流され始めた。ヲイヲイ,と皆が思っている内に軽快なエンジン音が聞こえきた。
船外エンジンのパワーで無事に柴又に到着してヤレヤレだ。
裏口から帝釈天に入り,境内で記念写真を撮った。しかし不信心がそろってしまってか,誰も参拝する様子はない。昼飯の場所を求めて参道をキョロキョロとあるくO会チョさんとS名事務局長だ。
食事処はここ数年利用している「とらや」だ。食事の時間は30分しかないが,I藤リーダーが一緒だから大丈夫だろう。広東麺を頼んだが,探れども探れども肉片が見当たらなかった。フト見れば店内には変な日本語の案内が。
13時15分に柴又駅に集合した。ここでT内さんが予定通りに離脱した。
高砂橋で中川を渡った。あれっ,N山さんは? 有楽町の職場に3時半に入るので白鬚橋まで歩く予定が,足が痛くなってさっき通った京成高砂駅で離脱したようだ。
四つ木橋で荒川を渡って向島の公園でショータイム。初参加のI田さんは鼡径部の痛みで辛そうだ。バンテリンを塗ってストレッチを繰り返す。
歩きを再開して白鬚橋で隅田川を渡った。ようやく江戸の朱引き内に入った。東京スカイツリーは今回は遠くから眺めるだけだ。風も止んだようで隅田川の川面は穏やかだ。
山谷辺りにはレトロな昭和初期の風景が残っている。そうだビデオに撮っておいた三丁目の夕陽をまだ見てなかったゾ。
I藤リーダーは三ノ輪で国道4号線を越して鶯谷駅周辺の飲み屋街からラブホテル街を抜けるコースに皆を導いて行く。ヲイヲイ,どうなってんだ。この歳じゃもはや参考にもなりゃしないヨ〜。
で,案内されたのは正岡子規宅と林家三平堂だった。どちらも外から見るだけ。子規も通ったという豆富料理の笹の雪も通過するだけ。
根岸をぐるっと回ってようやく山手線を越して谷中へ入る。寛永寺の境内を抜けて風格ある重厚な国際子ども図書館の前を上野公園に至った。
東京藝術大学と旧東京音楽学校奏楽堂の見ながら東京国立博物館前の広場の到着した。
ここでT野さんと別れた。何を祈願しているのかT野さんは半年の断酒の最中という。
そしてついにゴール地点の西郷隆盛銅像に4時36分にトウチャコ〜。ここでN島さんが別れていって,残りのメンバーは3153(サイゴーサン)と名前を変えた旧聚楽にあるライオンビアホールに。
待ちに待ったビールである。足を痛めたS名さん,I田さんもビール,ワイン,マッコリで癒されたようだ。ミズ三連勝のお二人は,どこそこが痛い,などおくびにも出さぬ健脚ぶりだった。爺さんヨ,見習いたまえ。
2時間の飲み放題タイムが終わって解散の運びとなった。K村さんはここから実家に向かってお泊まりだ。そのほかのメンバーは上野駅から帰途についた。
本日の走破距離は39km,歩き始めて9時間半かけた2013東京サバイバルウォークは実り多い至福の時間を提供してくれた。
後日談では某氏は某駅で電車を降りたところ,酩酊(一説には泥酔とか)状態のためホームから線路に転落したそうだ。幸いなことに電車は通過した後で,顔に切り傷と腰,脇腹に打撲を負っただけで済んだという。皆さん,マッコリの飲み過ぎには注意しましょう。