風も無い穏やかな正月明けの日,カミさんからサイクリングのお誘いがかかった。筋トレ(スロートレーニング)とSIT(Sprint Interval Training)を予定していたがここを断ったら次のお誘いは無いだろうと踏んで誘いに乗った。昨年末の「自転車人」に茨城県の茅葺き屋根の古民家が残る優しい風景の里をポタリングするという記事があった。該当ページをコピーして持ち出し,ここを回ってみよう。ポタリングフィールドは筑波山麓の八郷(やさと)地区だ。いつもだったらこのあたりは不動峠を越えてフルーツラインをファーストラン調子で走るところだがカミさん連れではそうは行くまい。
クルマに2台のロードレーサーを載せて八郷温泉ゆりの里まで輪行した。自宅から1時間半を要した。出かけるのが遅かったのでゆりの里のレストランで早めの昼食を摂った。メニューには常陸牛のステーキがあるが財布が許してくれそうも無いので筑波ローズポークとキノコの炒め定食にした。これが大正解。大きくカットされた豚肉にタップリのシメジの炒め物にたっぷりのキャベツが添えられ,ナメコの味噌汁,エノキの酢の物の小鉢とキノコづくしだ。地産地消を謳っているだけあって旨くて,安くておまけにタップリの定食に満腹となった。おかげでちょっと気合いをいれないとスタート出来ない気分だ。
雑誌記事の地図は小さくてよく分からない。だったら下調べすればいいのだがこのあたりはよく知っていると高を括ってきたのだが早速に道を間違えた。まぁ,のんびりポタリングだから良いでしょう。ゆりの里からフルーツラインに向かう途中の小幡小学校の道へ入り上青柳集落の茅葺き屋根の古民家を目指した。小幡宿通りから一歩(一車輪?)入るとこれまで気がつかなかった八郷の風景が目の前に開けた。カミさんとともに小さな歓声ををあげたくらいの心やすまる穏やかな風景だ。
上青柳集落で木崎眞邸と木崎邸の2軒の茅葺き屋根の古民家を見学した。江戸時代に建てられた木崎眞邸は筑波山を背景にしている。堂々たる門の屋根の双龍の装飾も立派だ。
家の人にお断りして外から邸宅を拝見させてもらった。母屋と書院とともにお庭も落ち着いた佇まいだ。お庭の梅の花がほころぶ頃にもう一度訪れたいねとカミさんがつぶやく。
茅葺き屋根を見上げるとその装飾に見とれてしまう。
木崎眞邸の直ぐ近くの木崎邸に回ってみた。母屋は明治2年に建てられたと言う。庭の隅には,ご先祖を祀っているのか,茅葺きの祠が建っている。祠の屋根には木崎の文字が見える。
フルーツラインを横切って恋瀬川サイクリングロードを目指した。農道を走り片野交差点の先でサイクリングロードに入った。このサイクリングロードはすれ違いが出来ないほど狭いロードだ。平成橋でサイクリングロードを右折して県道7号線のセブン・イレブンの交差点に出ると佐久良東雄(さくらあづまお)生家とある石柱に出会った。
1㎞ほど進んで見事な生け垣を持った茅葺き屋根の佐久良東雄の生家(古民家)を見つけた。
佐久良東雄は幕末の憂国勤王の歌人で,桜田門外の変の後に獄死したという。長屋門,母屋,土蔵,生け垣からなる屋敷は国指定史跡となっている。
ここから県道54号線に出る予定がまたまた道に迷ってしまって挫折。気がつけば54号線を逆に走っていたが蕎麦処かまたやになっている鎌田家に出会えた。ここの茅葺き屋根の装飾も見応えがあった。
その後は県道54号線を北上し佐久の大杉,大場家古民家を見学するつもりが三度迷子になってしまってまたまた挫折。ふと見かけたバスの車庫には懐かしのボンネットバスが。
陽射しも弱くなってきたのでフルーツラインからゆりの里に戻るコースを辿ることにした。彼方にみえる峰寺山の激坂ヒルクライムは一人の時にチャレンジしよう。西光院の懸け舞台からの眺めをカミさんと見たいが又の機会にしましょう。
ゆりの里に戻り,八郷温泉にゆっくりとつかり暮れゆく筑波山を眺めた。風呂上がりにカミさんに生ビールのサービスをした。自分はクリームあんみつを食べることで「プファー,うめぇ〜」を我慢した。このサービスが次回のサイクリングへの布石となるだろう。
本日の走行距離は34㎞弱で実走時間は2時間余りだった。次回の茅葺き古民家巡りは梅か桜の季節だな。