5月 192012
 

今年の第41回東京ー糸魚川ファスト・ラン・クラシックは新ルートが設定された。スタート地点が昨年までの八王子(高尾山口)から山梨市(万力公園)に変更された。(厳密にいえば東京ー糸魚川ファスト・ランではなくなったのだが。)さらに昨年までは松本から大町・白馬を通るコースだったが,今年は松本から妙高高原を通り日本海沿岸を走るになった。そのために距離が伸びて308kmの長丁場となった。

三連勝クラブ・シニアチームからは3人の新人を交えた7名(U原,O崎,S名,T井,T野,T安,N山)が参加した。常連のI田さんは法事で,そしてF井さんは大会2日前のぎっくり腰で不参加を余儀なくされた。

前日の山梨市のホテルにM菱総研のメンバーも集まり,ライダー14名・サポーター2名の糸魚川チャレンジ隊が発足した。

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当日はほとんどのメンバーが3時〜3時半の出発で,M菱総研のI塚さんと自分が5時〜5時20分の出発だった。3時組は真っ暗い中を,5時組は朝日が昇っている中のスタートだった。自分は前日にアームカバーを忘れたことに気がつき,ウィンドブレーカー姿で出走した。朝日が出ていても気温は8度と冷たかった。

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スタートしてすぐに集団のスピードは上がり40km/hにも届かんばかりだ。先の長さを考えてスピードを落としたら,あっというまに集団からちぎれて早くも一人旅となってしまった。どれくらい走ったのかとメーターのスイッチを切り替えてみるとゼロではないか。あれこれスイッチを弄ってみたが距離メータは動かない。立ち止まって前輪に取り付けたマグネットを見ると,裏向きになっていた。これでは磁力がセンサーに届かないわけだ。スタート時に心拍計はオーケーだったので大丈夫かと油断したのが原因だった。

国道20号(甲州街道)に出て甲府の街を走っているとカラカラを異音がする。前日までにクランク周りからの異音が続いていて更に別の異音で不安を感じて立ち止まることしばしば。ようやく判明したのは,シートステーに取り付けたバックライトが路面からの振動で緩み外れかかっていた,ということだった。これが後輪のスポークに触れて異音を発生させていたのだ。第1チェックポイントで直すまでこの異音に悩まされた。

釜無川に差し掛かると南アルプスの甲斐駒ヶ岳がくっきりと見えた。N山さんが準備してくれたQシートをみると予定した時間とほとんど変わらないペースで走行している。

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富士見峠あたりでは向かい風気味になっていた。7時半をまわっているが気温はまだまだ低く,からだが冷えてショータイムを余儀なくされる。ダラダラ登りの一人旅は辛かった。

もっと先かと思っていた中河原交差点に到達し,これを左折して諏訪大社を通り過ぎて諏訪湖に出た。ここはやや追い風で,少しばかり脚を休めることが出来た。

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岡谷の街中から,お約束の山下町2丁目交差点を左折して激坂のショートカットコースに入った。今回のマシンはカンパ10速のコンパクトクランク(50/34T)に12-23Tを装備していたので34-21Tで昇ることが出来た。しかし,高速道路のオーバーパス手前で道を誤り,高速道路の側道に降りてしまった。あわてて引き返して塩尻峠の取り付きカーブに出くわした。塩尻峠をえっちらおっちらと登り,峠を越えて待望のダウンヒルに入った。見覚えのある下りだが,こんなに長い下りだったかな〜,もうチェックポイントの小坂田公園を通過してしまったんじゃないか,などと疑惑を感じながら下っていくと国交省の何たらと書いた標識が目に付いた。そこに左に降りる道路があったので,その先が小坂田公園と思って降りて行った。しかし,傾斜が急だしカーブもキツイので引き返すことした。元に戻り少し下ったところに係の人が指示を出していた。ようやくのことに第1チェックポイントの小坂田公園に到着した。ここまで97kmあまりだった。いやぁ〜今年のコースは難儀だらけだ。コンビニで休めば良いものを,タイム稼ぎのために走り抜いてしまった。サポーターのトニー谷さんにゴムバンドをもらって,外れかけているバックライトを固定し直した。100キロ近く走ってきたというのに,チェックポイントには水とカロリーメイトくらいしか置いてないではないか。ポカリスエットを補充して,手持ちの携行食を摂りトイレに立ち寄って10分ほどで出発した。まだタイムは予定通りだ。

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小坂田公園を出てなおも下り,高出交差点を右折して国道19号に入って松本の市街を目指して走った。ここら辺りも向かい風を感ずる。しかし左手には見慣れた常念岳を始めとする北アルプスの山々がきれいに見える。

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松本市街を抜けて塔の原交差点を直進した。昨年はここを左折して大町・白馬に向かったのだ。犀川の脇を走っていると脚の合いそうな連れが追い抜いていったので着いて行くことにした。しかし,登りになるとお連れさんは遅れてしまうので,ふたたび単独走となって第2チェックポイントの道の駅大岡物産センターに到着した。この第2レグは比較的気持ちよく走ることが出来た。このチェックポイントで稲荷寿司を食べてバナナをポケットに突っ込んだ。トイレの後で顔と腕,脚に日焼け止めを塗って出発した。152km地点のここまでは予定タイムを10分ほど下回っている。ここではサポートカーに会わなかった。聞けば,N山さんが膝の故障で早くもリタイヤとなったので回収に行っていたそうだ。

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トンネルや貯水池(湖か)をいくつか抜けて長野市に入った。土曜日とあって県庁前の通りも空いていて走りやすかった。

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長野市から国道18号に入り,200km辺りの地点からいよいよ妙高高原の登りがはじまった。ダラダラと続く登りと向かい風と一人旅で10km/hを割り込むこともあった。あとから思えば,この手前でもっとエネルギーの補給をしておくべきだった。しかし妙高山が間近に迫り眺めは抜群だった。のんびりと走ってみたい場所だが,今回はそうはいかないのだ。

ようやくのことで223km地点の第3チェックポイントの信州信濃町のセブンイレブン穂波店に着いた。ここからは下る一方になるはずだ。お握りと手持ちの携行食を摂って出発したものの,またまた向かい風だ。追いついてきた良い具合のトレインを捕まえて食らいついていった。しばらくしてM菱総研のK田さんが後ろから追いついて来た。

やがて直江津の街に到着して国道8号に乗り糸魚川を目指すことになった。残りは40㎞あまりだ。しかし,ここで頼みのトレインとK田さんはコンビニに臨時停車をしようとするので,やむなく一人旅を選ぶことにした。すると後からM菱総研のY田さんに声を掛けられた。渡りに船とばかりに日本海に落ちていく夕陽を眺めながら一緒に走ることにした。しかし,Y田さんに引いてもらおうとしたら,あっというまに千切れてしまった。

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糸魚川ICの看板を探しながらR8を走るものの,なかなか出喰わさない。そのうちに糸魚川市街の標識が出てきたので,街中に入っていった。ここでどうやら,残念ながら,13時間を切れそうもないことが予想される時分となっていた。しかしも糸魚川ICの標識はまだ見つからない。そうこうしている間にJR糸魚川駅前に出てしまった。道を教えてもらって走るもまたまた分からなくなった。みたび教えられようやくゴールの国富アネックスホテルの到着できた。クタクタに疲れ果ててのゴールだった。こんなにも苦しい走りは初めての体験だ。

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昨年と同じように糸魚川市内の寿司屋で祝勝会を開いた。なんということでしょう,U原さん,S名さん,T安さんらのメンバーとほぼ同タイムと言うことだ。13時間08分ほどという。苦い酒となったが,地魚の寿司はしっかりと腹に収めた。しかし,あれだけ準備したのに…。完敗デス。

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翌日の掲示によると,記録は13時間08分52秒で総合順位は118位(340人中),年代順位は11位(45人中)であった。自分のデータは,カロリー消費量7530kcal,平均心拍数132bpmであった。コースの総上昇量は1995mに達していた。

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この糸魚川ファスト・ランにむけて200㎞を2回をふくめてロングライドで鍛えたつもりだが効果は出なかったようだ。来年に向けてはインターバルトレーニングかな…

(心拍計データ以外の写真は糸魚川チャレンジ隊のメンバーのトニー谷さん,M野,N山さんからのものを使っています。)