三連勝シニアクラブの3月の月例ツーリングは葛西臨海公園が目的地だ。途中ちょっと寄り道して浦安郷土博物館を訪ねてみようということになった。昨日の暴風雨は夕方には止み,当日はピーカンの陽気となったが,まだ肌寒い気温だ。5月の東京・糸魚川クラッシックを意識して,自宅からの往復を試みた。マシンは新調のDAHONのHammerhead 8.0である。
6時半に自宅を出て我孫子の手賀沼親水公園までちょうど20kmだった。のんびりと1時間かけて新車の調子を見ながら走る。8時前にメンバーが集合して,まずは利根川を遡上し運河を経由して江戸川に出た。このコースだと遠回りになるが,今日のリーダーは江戸川に拘っているようだ。陽射しは春だが江戸川土手はやや向かい風がまだ冷たい。だが,菜の花があちこちに咲いていて,確実に春がきているのが分かる。
11時半には浦安郷土博物館に着いた。まずは昼食を取ることになった。浦安名物のあさり飯は好評で我々の注文で売り切れてしまった。むき身のあさりに三つ葉を散らしたせいろ蒸しである。あさりの身はぷりぷりで,いつか深川で食べた油臭いあさりの深川丼とは大違いだった。このレストランの名前は「すてんぱれ」と言い,ここらの方言で抜けるようなカラッとした晴天のことをいうそうだ。まさに今日のツーリング日和を言い表している。
30分ほど博物館を見学した。屋外には江戸末期から,明治・大正・昭和の家屋が移築・再現されている。タバコ屋では一本ずつのバラ売りもしていたそうだ。江戸末期の三軒長屋は県指定有形文化財となっている。
ここ浦安は22歳の山本周五郎が3年ほど暮らした町でもあるそうだ。作家として売れない当時,ときどき通っていた天ぷら屋を再現した家屋内には氏の資料が展示されている。代表作の「青べか物語」のベカ舟も展示されている。ベカ舟とは一人乗りの海苔採り用の木造船のこと。ここいらで作られた海苔が浅草海苔だ。
しかし,今の浦安は何と言ってもディズニーランド・ディズニーシーだろう。東京のベッドタウンとして高層建築もたくさんある。ここ浦安郷土博物館は江戸前の漁業と海苔で栄えた昔の面影を残そうとしている体験型博物館である。屋内展示は江戸前の魚の水槽,漁の道具,行商の様子などだ。行商の自転車は自分の子どもの頃のまんまで懐かしい。
時間がおしていることもあり,郷土博物館を出発した。ディズニーランドや豪華なホテルの前をマスク姿の怪しげな爺さん集団が,格好いいロードレーサーで颯爽(?)と通り過ぎるのを,人はどう見ただろうか。やがて江戸川を渡って再び東京都に入り,葛西臨海公園についた。
帰路の向かい風を心配したが,追い風に乗ってスイスイと江戸川を遡り,野田から我孫子に帰り着いた。自分はさらに階調に国道6号線を走り,無事に自宅に帰り着いた。5時半になろうとする時刻であった。本日の走行距離は100マイル(160.32km),実働時間は8時間8分であった。さて,20インチのHammerheadで290kmの東京・糸魚川が走れるだろうか。というよりも,天候,体調が問題か?