宇都宮(正確には上三川)の息子夫婦が,高根沢町の元気アップ村のブルーベリー狩りに誘ってくれた。昨年もお世話になって,当時の収穫はいま芳醇なブルーベリー酒となっている。今年はカミさんがジャムをつくると張り切っている。
ブルーベリーには赤いのと黒いのがあるが,収穫するのは黒いヤツ。甘さの中に程よい酸味がある。
汗が流れ出る中を,園内のあちこちでつまみ食い(食べ放題)と持ち帰りの実を探し歩いて,容器を一杯にした。これで550円とは馬鹿安だ。
元気アップ村でお昼を食べて,自分とカミさんはキリンの工場で出来立ての生ビールで水分を補充した。高根沢町には他に自動車工場があったり,御料牧場があるなどする。今日の第2番目の出し物は,宇津救命丸の創業地の資料館と薬師堂の開帳を訪ねることだ。
400年の歴史をもつ宇津救命丸はいまでもこの高根沢工場でつくられている。広大なお屋敷の中に工場がある。かつてはこの宇津誠意軒で秘伝の救命丸がつくられていたそうだ。
資料館もまた由緒ある建物だ。
展示資料の中にはかつては材料であったサイの角などがあった。すべての材料が漢方薬に使われるものだそうだ。
これらの材料を粉末にする薬研や丸薬にする道具などもある。
近代の丸薬製造機械と箔(銀箔,金箔)付けの機械は,かたちを変えてこの高根沢工場でも使われているそうだ。
宇津資料館の見学を終えて,宇津薬師堂を見学することにした。ヤク(薬)に懸けて8月9日に開帳ということだ。この薬師堂も宇津家が,日光東照宮とおなじ頃に,立てたものだそうだが,現在は高根沢町の文化財にもなっている。
ご本尊は瑠璃光薬師如来だ。ご真言は「おん ころころ せんだり まとぅぎ そわか」ということを後で知った。十二神将が両脇に祀られている。
この薬師堂の見どころは天井画にもある。朝顔,ハス,オモダカ などの薬草が描かれている。
薬師堂の脇には観音堂も建っている。
近年に屋根を萱から銅版に葺替えたそうだ。ご本尊はハスの蕾をもった聖(正)観音様だった。
来世と現世の利益の如来様と観音様を拝した後は,この日の三番目の出し物の,さくら市の松島温泉乙女の湯で汗を流した。ヌルヌルした,いかにも温泉らしい良い湯であった。嫁さんのおもてなし振りにはいつものことながら感心する。