10月 302006
昭和36年(1961)の中学校の卒業生達が集まって互いに還暦を祝う同窓会を催した。場所は生まれ故郷の静岡県富士市。この時代(昭和21年生まれ)の中学校は2校の小学校の卒業生が入学していた。遠い者は45分も歩いて通学してきたそうだ。クラスは10組でおよそ450人の同窓生がいるが,当日集まったのは150名といったところだった。我が3年2組は40名中の13人が馳せ参じた。
クラスのほとんどは生まれた富士に住んでいるそうだ。故郷を離れたのは自分を含めて5人とは居ない。
私が足が速くて,勉強ができてそしてモテたことが話題になった。仲介者が放課後の誰もいない教室をしつらえて,私にある女の子の告白をさせた,なんて懐かしい思い出も飛び出した。その女の子ももちろんその日を憶えていてくれて,二人で大笑いをした。クラスには東芝の社宅から通っていた子が多かった。彼らの話を聞くと,台風の度に雨漏りがして,果ては屋根が吹っ飛んだということもあったそうだ。私の家のすぐ前は小学校で,下校する同級生がよく寄り道をしていった。おやつはサツマイモ,ミカンなどだった話しが出たかと思えば,商店街のお嬢様のお宅で初めて石鹸のようなチーズを食べた,なんて話も出た。みんな貧しかったが,楽しかった。その時代にタイムスリップした2時間のみんなの顔は輝いていた。もちろん私もそうだった。つぎは2年後ということだ。この次の会には故郷の言葉を話せるように練習していこうか。