カミさんと新潟に2泊3日の旅行した。佐渡に渡りたかったのだが,丸々1日が空いているのは最終日だけで,どうも日帰りは無理なようなので諦めざるを得なかった。昼に新潟に着いたので,まずは村上に足を延ばした。鮭の遡上としっとり落ち着いた城下町という触れ込みに魅かれての訪問だ。もう一つの理由は恩師の生誕地を見たかったからだ。ぷらぷらと町屋の連なる道を散策しながらギャラリーやまきちに入った。
ここは築150年でかつては鮭の問屋だったそうだ。それは立派な神棚が目についた。カミさんは気に入った皿を求めた。さらに歩くと,なんとも懐かしいものを並べた竹細工の店,とんぼやがあった。竹細工のトンボのやじろべえがウリらしかった。
市役所の近くにはおしゃぎり会館がある。山車のことをおしゃぎりと称するらしい。カミさんは,秩父や栃木市の山車の方が立派だね,という。こじんまりとした山車だがそれなりの趣はある。
会館のとなりには武家屋敷が保存されている。庭の立派さにはちょっと驚き。軒先には塩引き鮭がつるされている。腹切りを忌み嫌って,腹を2ヶ所で割いてありさらに尻尾を縛って逆さに吊るすのが村上流だそうだ。
この鮭が遡上する三面川を眺めながら,日本唯一の鮭の水族館のイヨボヤ会館に向かった。イヨボヤとはともに魚の意味だそうだ。ここで日本(世界)で初めて鮭の孵化に成功したそうだ。1週間後には観光の鮭漁が始まるそうだ。
イヨボヤ会館には三面川から引き込まれた支流をガラス越しに眺められる工夫があるが,まだ鮭の姿は見えない。仕方ないので水槽の鮭で我慢した。
2日目は新潟市内をぶらついた。万代橋を渡って信濃川下流の新潟港方面へ足を向けた。
河口近くには新潟市歴史博物館「みなとぴあ」がある。
ここを見物して,私は仕事を果たしに,カミさんはレンタル自転車で街を回ることになった。仕事を終えて市内で落ち合って,みなとぴあの向かいの朱鷺メッセの展望室で夕陽を眺めることにした。驚いたことにここは無料で開放されていた。雲がひくく垂れ込めて佐渡ははっきりと見えなかったが,日本海の落ちる夕陽は絶景であった。展望室からみると新潟市がすぐ海の近くだということが実感できた。
信濃川の上流方面には弥彦山が見える。
この夜はホテル近くの飲み屋で新潟サバの塩焼きを食べた。思い掛けない味であった。
滞在の最終日は朝から冷たい雨だった。市内も歩き回ったので,新潟ふるさと村に行くことにした。道の駅が併設されている。
展示されているものは新潟の明治・大正,昭和,平成の市民の暮らしのジオラマや,農村の暮らし,地場産業の展示,新潟の四季を映画などであった。なかでも降雪の実演は一見に値した。
強まってきた雨足の中を,市内にもどる便に水上バスを選んだ。乗客は我々だけの貸し切りであった。水の都の新潟を肌で感じたクルージングであった。