7月 212018
 

2018年の夏のバカンスはカミさんの「車中泊をしながら北海道・東北を旅する」案に乗った。大洗から苫小牧にフェリーで渡り,道東から知床,道央から札幌を巡り,下北・三陸を経て戻って来ると言うコースだ。北海道では大雪山(旭岳)を含む2,3の山に登る計画も含まれている。宿泊は道の駅・キャンプ場を利用する,どちらかと言えば,行き当たりばったりの旅になるようだ。 先ずは商船三井フェリーさんふらわあの予約だ。夏休み前だが夕方便は満員で取れず,ようやく深夜便の「しれとこ」が予約できた。折しも北海道はここ数日は天気予報の雨マークばかりが続き,梅雨のないという北海道らしからぬ天候だ。 フェリーの到着に合わせて苫小牧のビジネスホテルを予約した。しかし,改めてフェリーの時刻を確認したら大きなミスに気がついた。フェリーは午前1時45分に出発してその日の夕方の7時45分に苫小牧に到着するのだ。しかし,ホテルは翌日の宿泊を予約してしまった。慌ててキャンセルして,再度,出発当日の宿泊を予約した。フェリーのHPにも,その点を注意するように記載されていた。フェリー乗り場には出港の前日の深夜に到着して手続きをして,乗船は数時間後の翌日の深夜なので,日付が変わることを勘違いしてしまったのだ。

Rurubu cover Yamakei book

 

第1日目(7月5日 大洗〜苫小牧)

22時に大洗港フェリーターミナルに到着した。シルバー割引を利用するのでカウンターで年齢証明の運転免許証を提示してチケットを発行してもらった。停泊している「さんふらわあ しれとこ」は降り始めた小雨に煙っている。果たして北海道の天気はどうだろうか? 乗船時刻になってカミさんも一緒に車に同乗して乗船した。船室は4人部屋で,まぁまぁの快適度だ。ビールを飲んでいる間に,定刻の1時45分に出港した。

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どんな旅になるだろうか。クルマにはテントや寝袋、登山用品と調理道具や食料を積んである。『自転車は持参しない』とブログで書いたら,フォロワーから意外だとのコメントがきた。 朝は7時に目が覚めた。ラウンジで持参したパンで朝食をとった。さんふらわあの深夜便にはレストランが無く,自動販売機で冷凍食品などを買って電子レンジでチンするスタイルだ。文庫本を読んだり,旅行ガイドブックを眺めたりして午前中を過ごした。

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しかし,ランチの頃からこれまで順調だった船旅は次第に大きなウネリに見舞われていった。時刻から判断すると金華山沖あたりらしい。空に暗い雲が立ち込めウネリはますます大きくなった。まず,カミさんがトイレに駆け込み,ついで自分も慌ててトイレに駆け込んだ。船室のすぐ前がトイレだったのは幸いであった。トイレに駆け込むこと都合3度で,昨晩の夕食から先ほどのランチまで全てトイレの泡と消えた。胃袋が空っぽになって,ようやく午睡を取ることができた。カミさんは「友達はさんふらわあは揺れなくて快適ヨ,っていってたけど嘘だぁ。」とぼやきながらベッドに伏した。 ウネリも収まった夕方5時半に自分だけパンとスープで失われたランチの補充をした。カミさんはその気には全くならないらしい。そして,7時45分の定刻にフェリーは苫小牧港に接岸した。飛行機よりも正確なタイムスケジュールにちょっとした驚きだ。

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8時半に予約してあったビジネスホテルに投宿した。近くのコンビニにビールと朝食を買い出しに出かけたが,あまりの寒さにダウンジャケットを羽織らざるをえないほどだった。この調子では明日のアポイ岳登山はどうなることだろうか?

第2日目(7月6日 苫小牧〜新ひだか町)

いつもの時刻どおりに目覚めて,近くのコンビニでサンドイッチとコーヒーを買ってきてホテルで朝食をとった。相変わらず外は寒くダウンジャケット姿だ。

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9時にホテルを発ち,日高山脈の南端(様似町)にあるアポイ岳登山に向かった。無料の日高高速道路を降りたサラブレッド銀座という牧場が続くあたりで雨が降ってきた。牧場は車窓からの見学だけにして先を急いだ。国道235号を浦河に向かって走る。浦河は大きな街だが駅には列車が入ってくる気配はない。2016年の台風の被害で日高本線は今だに復旧の目処が立たないのだろうか? 国道には代行バスが走り,海沿いを走るレールも錆びついている。アポイ岳のとりつきまでに思ったよりも時間がかかってしまった。150kmほどの距離があるのを考えてなかった。 で,登山口のビジターセンターについたのは昼どきになっていた。

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クマが出るというので,まずは,クマよけの鐘を盛大に鳴らして登りに入った。整備された登山道を登り,五合目の避難小屋には1時間ちょっとで到着した。そこで上から降りてきて休んでいる,千葉から車中泊をしながら北海道の山々を訪ねているという単独行の婦人と話しながら昼食をとった。

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アポイ岳は高山植物の宝庫だというキャッチフレーズに惹かれて選んだのだが,お目当てのヒダカソウをはじめとするアポイ〇〇とアポイの名のつく花々は多くはなかった。それでも,サマニオトギリ,アポイハハコ,キンロバイが咲いていた。

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途中で降りてきて出会った女性は馬の背から引き返して頂上にはいかなかったと言う。我々も急がないと,この天気では,下山が危うくなりそうだ。件の馬の背という難所を越すのは,やはり,難儀だった。時間に追われて頑張って登るとアポイヤマブキショウマが咲いていて,頂上直下ではハクサンシャクナゲを見ることができた。頂上に着いたものの見るべきものは無さそうなので,迂回するお花畑へのコースに踏み入れた。

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なるほど,避難小屋で話を聞いた,盗掘でヒダカソウが壊滅した,というのはここのことだったのか。確かに何も無かった。お花畑を巡る迂回路が本来の登山道と合流したあたりにはエゾツルムラサキが咲いていた。

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急いでいたのでもなかったが,下山路の半分くらいでカミさんが石の間に足を挟まれて頭から転げてしまった。幸いなことに上唇あたりと下腿の打撲で済んだが,次の登山,いや旅さえをも続けるのはは大丈夫だろうか。 登りでは気がつかなかったが,下山時には太平洋を霧の合間に望むことができた。 麓の近くでキツネのお出迎えがあって登山口に到着した。アポイ岳は標高(810m)が筑波山くらいとタカをくくったが,登山口は海抜70mなので,標高差740mのタップリの登りを強いられた。歩行時間は5時間だった。

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登山口近くのアポイ山荘で風呂に入れるが,今日の宿泊は1時間ほど戻った新ひだか町の道の駅「みついし」の温泉に入って,初めての,車中泊をすることにした。ここに併設されているオートキャンプ場(オートキャンプサイトとパーキングサイト)は我々には料金が高いのとチェックイン時刻に間に合わないので駐車場での野宿まがいだ。道の駅の駐車スペースに車を止めると両隣のクルマの住人があれこれと車中泊のノウハウを自慢して披露してくれた。道の駅では火気厳禁なので持参したストーブ・コンロで調理することができないので,温泉に入ってそこのレストランで夕食をとった。山登りの後の温泉とビールは申し分なかった。

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第3日目(7月7日 新ひだか町〜弟子屈町)

唄の文句の何も無い…🎵の襟裳岬はパスして,カミさんの命ずるままにクルマを走らせて帯広を経由して池田のワイン城に行った。十勝ワインと出会ったのはもう45年ほど前になる。ブドウ展示園,地下のワイン熟成室や別棟のワイン工場を見学した。残念ながら工場はこの日は操業をしてなかったので瓶詰めなどの行程は見学できなかった。

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ついで,釧路に向かい釧路市湿原展望台から釧路湿原を望む。遊歩道を進みサテライト展望台に到着すると眼前に湿原が広がっていた。カメラの望遠で見るとそこは,TVで見る,アフリカのサバンナのような光景だった。あそこを散策することはできないのかな?

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今晩は弟子屈町の摩周温泉道の駅で車中泊することになった。ここには足湯があるだけで共同浴場はなかった。明日は雌阿寒岳の予定だが、カミさんの転倒の後遺症と雨が心配だ。

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第4日目(7月8日 弟子屈町〜釧路市阿寒町)

朝は周りの水郷公園を散策した。釧路川に架けられた「なんだろう橋」があった。これはアフリカからの木材ホンゴシで作られていて,長期にわたり腐食に耐えるそうだ。

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朝食を済ませ,阿寒湖に向かった。ここを訪れたのは45年ほど前になるかな? 学会の後でS助教授と札幌から網走まで寝台列車に乗り,阿寒・屈斜路・摩周湖をドライブしてメマンベツから羽田に戻ったエクスカーションを思い出す。阿寒湖畔ミュージアムセンターに立ち寄ってマリモなどを見学した。

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湖のこみち〜ボッケ遊歩道を散策しボッケ(泥火山)を覗いた。センターの係の話では,最近は随分と小さくなってしまった,と言うことだ。

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今日の目的は,深田久弥が登らなかった方の,百名山の雌阿寒岳への登山だ。空は久しぶりに晴れ渡り,絶好の登山日和になった。雌阿寒温泉から雌阿寒岳を往復するコースを選んだ。アカエゾマツの林と根っ子の登山道に分け入ったのは11時だった。

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やがてゴゼンタチバナ,ハクサンシャクナゲ,メアカンフスマ,イワブクロが出迎えてくれる。

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眼下には霧の中にオンネトーを垣間見る。足元にはメアカンキンバイが咲いている。コケモモにも出会った。

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登山道は岩場になり険しくなっていく。それでも登り始めて2時間で頂上を極めることができた。見渡せば,久しぶりの晴れ間の雲海の上に知床が望めた。

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恐る恐る火口を覗いて見ると,盛んに噴煙を噴き出している光景が望めた。そういえば,登山口の入山届には火山への登山のしおりが置いてあった。

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頂上は虫が飛び回り,とても昼食を食べるような状況じゃ無いので少し降ったところで摂った。今日のカミさんは降りには慎重だ。まだ唇の周りは青アザが残り,フクラハギには痛みも残っているようだ。3時半には無事に下山し,雌阿寒岳温泉のにごり湯で汗を流した。

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今晩の宿泊は阿寒湖に戻り,阿寒湖畔キャンプ場で車中泊と決めた。テントを持ってきているが,設置したり撤収したりが面倒になって車中泊となった。ドイツ人、高知からのライダー、日立市からの夫妻と楽しく歓談の夕べを過ごした。その夜もテントは張らずに車中泊にした。

第5日目(7月9日 釧路市阿寒湖町〜別海町)

午前2時半に隣の日立市のクルマの奥さんがドアを叩く音で目覚めた。ご主人が急に具合が悪くなったという。意識はあるが震戦妄想状態だ。習い覚えた救急法を思い出してカミさんが救急車を手配した。明け方に病院から奥さんの連絡があり,大丈夫だからと言う事だったので釧路市の労災病院まで迎えに行った。 ご主人の元気な姿を見られて一安心だ。キャンプ場に戻って,改めて紹介しあったM夫妻と揃って遅い朝食を食べた。そんな調子で午前中が過ぎた。

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午後は,予定にはなかったが,M夫妻の勧めで根室海峡に臨んだ野付半島に回ることにした。それで,屈斜路湖と摩周湖はパスすることになった。阿寒横断道路の双湖台で一休みして展望台から北海道のかたちをした湖ペンケトーを眺める。

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弟子屈から中標津を走り,標津町に入る。ここが根室海峡に臨んだ野付半島の付け根だ。半島の突端までの一本道「フラワーロード」からはミズナラが立ち枯れたナラワラが見える。道端のハマナス,エゾフウロや彼方まで広がったエゾカンゾウが道先案内をしてくれる。

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ここは日本最大(全長28km)の砂が堆積してできた半島だ。まるで冬のような寒さに震えながらネイチャーセンターに入る。この16km先には国後島が望める。

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半島の散策は歩いてもできるが,ここはトラクターに乗って見ることにした。終点からはトドマツが立ち枯れたトドワラを見る。センダイハギやエゾノシシウドなどの原生花園を散策した。

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ようやくのことで連絡が取れた別海町の民宿「みさき」に飛び込みで泊まれた。宿は自転車ロードレースの格好をした人たちで満員になっていた。隣のホテルの日帰り浴場に行って見るとなんと北海道一周というサイクルツーリングのイベントの真っ最中であることを知った。それでこの付近の宿は満杯だったんだ。このイベントにフル参加すると20万円プラス3週間の宿泊代がかかるという。今年は雨のためにコースが変更になったりと難儀しているそうだ。民宿で供された夕食のシマエビ(ホッカイエビ)はここでしか味わえないという海の幸だった。非常にコリコリした食感を堪能した。やはり布団での眠りの方が良いね。

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第6日目(7月10日 別海町〜斜里町ウトロ)

羅臼の道の駅「知床・らうす」でしばしの休憩をとって,標高738mの知床峠を越えた。途中の道のりでは外国人の自転車ライダーが続々と登っているのを追い越して走る。こんなツァーもあるんだ! 峠から見える知床連山の羅臼岳は雪渓が残っていてアイゼンを用意しないと登れないとのことだ。夏山に上るということばかりが頭にあって,緯度の高い北海道の山々だということを失念していて軽アイゼンすら準備してなかったので登山はパスせざる得ない。

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知床五湖フィールドハウスのカウンターで予約したツァーの受付をした。この時期(5月10日〜7月31日)はガイドツァー付きでないと五湖は巡られない。カミさんが一番の楽しみにしていた知床半島なので一人5,000円のガイド料を惜しみなく(?)払ってガイドツアーに参加した。ガイドからヒグマに出会わないための方策などをレクチャーしてもらって遊歩道に入った。

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我々の大ループツァーは五湖から一湖へと3kmの道のりを1時間30分かけて逆順で回っていく。ガイドが示す大きな葉っぱは,なんと,ミズバショウだ。尾瀬で有名なミズバショウも最盛期にはこんなにも大きく成長する。これを狙ってヒグマが出てくるという。付近の樹木にはヒグマの爪痕がクッキリと印されていた。 やがて五湖が見えてくる。すぐに四湖に到着する。その先には小さな湖があった。しかし,これは三湖ではなくて,水量が増えた時にできる大きな水溜りだ。その脇の樹木の祠をのぞいてみると中は見事にカラっぽだ。

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少しばかり歩くと三湖だ。湖面にはコウホネが顔を出し,マガモが泳いでいる。三湖の西端を回り込んだ対岸からは知床連山が雲の晴れ間から望めた。こちらの岸にはスイレンが湖面に顔を覗かせていた。 二湖への木道にはヒグマのフンが残っている。その脇のミズバショウは踏み跡も残っているガイドは念のために「オーーイ,オーーイ」と熊よけの合図を送る。

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二湖からは知床連山の全容が見えた。そして一湖に到着すると雲は切れて青空が顔を覗かせ,見事な知床連山が湖面に映えた。これこそがカミさんが狙っていた風景か。

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ツァー中に二度もヒグマを遠くに見た。 一湖を見終わった高架木道からは笹薮を歩き回るヒグマをはっきりと捉えた。

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今日は斜里町ウトロの国設知床野営場で車中泊とする。キャンプ場の隣の夕陽台の湯で一汗を流して戻るとエゾシカが「おかえり」と出迎えてくれた。夜半に,またまた,雨に見舞われた。それもザンザン降りの大雨だ。

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第7日目(7月11日 斜里町ウトロ)

昨夜からの雨は朝起きた時も降り続いている。キャンプ場の地面がぐっしょり濡れているので街中の道の駅「うとろ・シリエトク」に移動して,車中で朝食をとった。 再び知床五湖方面に向かい,知床自然センターを見学した。自然センターで知床の四季の映像を鑑賞したり,館内を見学したりした。

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センター周辺を散策することにした。まず,センターで長靴を借りて3つある知床ホロベツ散策コースのフレペの滝遊歩道コースと森づくりの道シカ柵コースに乗り出した。オホーツクに落ちるはずのフレペの滝は濃霧で全く見えず,ほんの時折キリが晴れるとオホーツクの海の入江が見えるくらいだった。散策途中は時々「オーーイ,オーーイ」と熊よけの合図を送りながら進んだ。

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シカ柵コースも同様でまさに五里霧中の散策となった。シカ柵コース途中の100平方メートル運動ハウスで,昔の開拓地の跡地を自然状態に復帰させる運動のパネルを見た。世界遺産ともなると色々とやらなけれならないことがあるようだ。いや,これをやったから世界遺産に認定されたのだろう。

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昼はウトロ漁協婦人部食堂で,カミさんは鮭三種丼を自分はホッケ定食を食べる。肉厚のホッケは食べ応えがあったがカミさんの鮭丼は特にどうというものではなかった。

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道の駅に戻る途中のウトロ漁港には奇妙な岩が聳えている。これがゴジラ岩か? 近くのオシンコシンの滝を見学しに行った。こちらは落差30mとあって,なかなかの迫力がある見応えのある滝だった。

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道の駅の隣の世界遺産センターを覗いてクマやエゾシカに化けて戯れる。

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せっかくここまで来たのだからと最終便の観光船おーろらに乗って海から知床半島を巡ることにした。午前中に霧の中を探してみることのできなかったフレペの滝が見えた! クルージングの硫黄山航路を案内するおーろら号はカムイワッカの大滝を見たところで旋回して帰港した。クルージングの途中で彼方を泳ぐイルカを何頭か発見した。 昨日も今日も知床五湖からカムイワッカの滝までの道路は冠水で通行不能となっている。いやはや北海道で梅雨とは。

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今宵は道の駅うとろ・シリエトクで車中泊とキメる。

第8日目(7月12日 斜里町ウトロ〜遠軽町)

目覚めると天気は晴れだった。今日はオホーツク海を見ながら走り小清水原生花園と網走を訪ねるという予定だ。原生花園の途中の涛沸湖に立ち寄る。汽水湖でラムサール条約に登録されている野鳥の楽園ということだが,特にみるべきものはなかった。

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さらに少しばかり走るとオホーツク海に面した小清水原生花園だ。エゾキスゲ、エゾスカシユリ、エゾカワラナデシコ,ヒルガオの向こうにオホーツクの海が広がる。

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その奥には知床連山が浮かぶ。大雨と残雪でここは踏破を断念せざるを得なかった斜里岳の姿が恨めしい。

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網走の街で,まず,オホーツク流氷館を探す。マイナス15℃の流氷体感テラスに入るために防寒着をつける。中に入るとキツネやアザラシの剥製が待っている。テラスの入り口で渡された濡れタオルがカチカチに凍るのを体験したりできる。テラスをでてホッと温かい息を吐き出して,クリオネなどのオホーツク海の生き物を水槽に見る。流氷幻想シアターで映像を見て屋上の展望デッキに上がると網走湖が眼下に眺められた。

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ついで博物館網走監獄に回る。ここは明治以来の旧網走刑務所の建造物25棟を集めた野外歴史博物館だ。受付で二人とも免許証を提示すると高齢者は半額の福祉料金で入場できた。まず,重要文化財の旧網走監獄庁舎で網走監獄について「典獄は語る」の映像コーナーで学ぶ。北海道開拓の歴史も館内の展示コーナーで学べる。網走監獄無くして北海道はなかった,のか。

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外に回って裏門を抜けて釧路地方裁判所網走支部法廷復元棟で裁判場面を見る。これが気持ち悪いほどリアルにできている。

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旧網走刑務所職員宿舎を眺め,中央道路開削の時の囚人の仮宿舎,鍛冶屋もあった耕耘庫をみる。監獄歴史館では過酷な中央道路開削の様子が再現される三面映像シアターや囚人の暮らしや作業などの展示を見る。囚人ながら,その悲惨さには目を背けたくなってしまう。監獄歴史館には現代の網走刑務所居室も再現されており,網走監獄から比べると天国のように感じさせられた。ヒットした映画の網走番外地シリーズのポスターなども展示されている。監獄歴史館は十分に見所があった。

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重要文化財の二見ヶ岡刑務支所の野外展示や館内を見る。ここは開放的処遇施設だったということで歴史館で見たような悲壮感はそれほどなかった。

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次は,メインともいうべき5棟が放射状に伸びる重要文化財の舎房及び中央見張所(鳥瞰写真は博物館網走監獄の公式ホームページから)木造の行刑建築物としては世界最古・最大ということだ。舎房棟の高い天窓からは娑婆の光が降り注いでいた。

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外に出ると浴場がある。内部には倶利伽羅モンモンの囚人たちが。そして,独居房と重要文化財の教誨堂を見て博物館の見学を終えた。

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市街で,名物の網走ちゃんぽんの店を探すが,お目当の店は夜でないとやっていなかった。地元の人に聞いて道の駅流氷街道網走にあるフードコートキネマ館に回る。お味は,九州で11年を過ごして長崎ちゃんぽんを食べ歩いた身としては,「う〜〜ん,こりゃちゃんぽんとは言えないよ」だ。

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今日の宿泊地はどうしようと遠軽町丸瀬布の道の駅まるせっぷに行った。しかし,車中泊するような道の駅ではなかったので少し離れた遠軽町丸瀬布森林公園いこいの森に行ってみた。2016年の大雨で公園も被害を受けたが、オートキャンプ場の半分は復旧されていてテントサイトを借りることができた。キャンプ場は広々としていて,トイレもウォッシュレットで快適だ。公園は郷土資料館,ゴーカート・ローラースケート場(災害復旧工事中だった)などの施設を備えている。中でも目玉は,昭和33年まで営業していた森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」だろう。この運行も宿泊当時は運行休止中だったが,園内の案内によると7月21日に再運行するとあった。 例によってテント張りは面倒なので車中泊とする。ここでは、道の駅では使えない、火を使って簡単な調理ができるし、朝の熱いコーヒーも支度できる。近くの日帰り温泉やまびこで汗を流した。

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第9日目(7月13日 遠軽町〜東川町)

快適なキャンプ場のセンターが8時に開くのを待って溜まった洗濯物を洗う。終わって浮島湿原を訪ねた。狭い砂利道を走り終点に着いたが誰もいない。雨も降っているし,山中でクマに出会ったら怖いので散策はパスする。ガイドブックの立ち寄りスポットに載っているが訪ねる観光客はどれほどいるのだろう。

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層雲峡に回った。道産子ラーメンを食べて層雲峡ビジターセンターを訪ねる。しょうゆ味でホタテが入ったちぢれ麺のラーメンは東京で食べる同名ラーメンの方が美味いと思った。センターで大雪山の情報を仕入れる。ここから大雪山の旭岳に登るには黒岳を経由することになるが,以前にはあった旭岳の麓からここ層雲峡に戻ってくるバスはなくなった,と知らされる。で,旭岳の麓で宿泊して,旭岳だけのピストン登山コースをとることにした。 時間の余裕があるので駐車場から石狩川に沿う遊歩道を散策する。さらに双瀑台に登ってみると不動岩を挟んで左に銀河の滝と右に流星の滝を同時に見ることができた。しかし,それほどの感激もなかったのは嫌気が差すほどの雨模様のためか。

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層雲峡から,旭川空港をかすめて,東川町に回った。旭岳温泉の東川町旭岳青少年野営場で車中泊することになった。明日は旭岳に登る予定。晴れてほしい。

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第10日目(7月14日 東川町)

今日は7時前に大雪山旭岳ロープウェイの旭岳駅に居た。乗車までの間に売店で,万が一の不測事態に備えて簡易携帯トイレを2つ買った。朝からお腹の調子がちょっと良くない。10分ほどの乗車時間で姿見駅に到着してロープウェイを降りた。7時25分に北海道最高の百名山の旭岳(大雪山の一部)の登山をスタートさせた。歩き始めは,またもや,雨だが昼からは晴れの予報だ。

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旭平周辺の散策路でウコンウツギ,チングルマ,エゾノツガザクラ,エゾコザクラ,キバナシャクナゲ,ミツバオウレンなどの高山植物に見送られて山頂を目指す。

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観光客も少なくなり旭岳石室を過ぎて,スタートから25分後にショウジョウバカマに出迎えられて姿見池展望台に到着した。周りは霧で包まれて旭岳の頂上も見えない。周りにはまだまだ雪がたくさん残っている。

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ここから火山礫地の本格的な登山道が始まった。北海道だけに分布し,絶滅危惧種に指定されているヒメイワタデに出会う頃(スタートして2時間弱)に金庫岩に到着した。ここまで辛い尾根を延々と登ってきたからか,カミさんは思わずバンザイをする。

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山頂はもうすぐだヨとメアカキンバイが教えてくれる。登り始めて2時間5分で旭岳の山頂に立った。意外なほど簡単に北海道の最高峰に到達したものだ。あたりは霧に包まれ視界はゼロの状態だ。時間は十分あるのでこのまま登ってきた道を戻るのも面白くない,とガイドブックの地図を見る。すると,さらに先に進んで間宮岳を経由して中岳温泉からスタート地点に戻るコースがある。なんともいい加減な登山だが,そちらに回ることにして一旦下るコースをとる。

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間宮岳〜中岳温泉を経由するコースはザレ場で始まった。メアカキンバイとキバナシャクナゲやイワヒゲの群生を脇目に転ばぬよう,転ばぬようとザレ場を下る。しかしなんということだ,ザレ場の先は下りの雪渓だ。転びながら、滑りながらもなんとか平地に降り立つ。

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すると、太陽が顔を出し、登ってきた旭岳が見えた。下を見ると可憐なミヤマタネツケバナが咲いている。気持ちのいいなだらかな尾根歩きだ。ここまできてようやく,登って良かったという気持ちになる。

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間宮岳分岐で一休みしてお鉢平の向こうに見える中岳,北鎮岳を見ながらちょっと進むと間宮岳に着いた。約3万年前の新期大雪火山が爆発したカルデラのお鉢平が晴れてクッキリと見える。

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中岳分岐を過ぎるとイワヒゲやエゾノツガザクラが咲き乱れるお花畑が広がる。珍鳥が迎えてくれる。ハイマツの木にギンザンマシコが止っている。初めて見る綺麗な鳥だ。大塚,小塚を彩る雪型を何に見たてようかと考えながら歩みを進める。

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ふと,下に続く登山道をみると何人かが川の中の入っていくのが分かった。降りて行ってみると川床から湯が湧き出ているようだ。どうやらここが中岳温泉らしい。からだを浸けるほどの湯量がないので足湯となっている。で,中岳温泉でカミさんと混浴と洒落込んだ。

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ミヤマダイコンソウが咲いている川沿を下っていくと雪の残る平地を歩くようになる。裾合平という地らしい。

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旭岳を左手に見ながら進むと白鳥の雪型が出てきた。そして,ようやくのことにロープウェウイの姿見駅が見えてきた。旭岳が活火山であることを示す噴煙も見える。鏡池は名前の通り旭岳を映していた。

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15時25分に姿見駅に戻ってきた。8時間の楽しく、素晴らしい山行だった。 旭岳駅に降り立った。用意した簡易携帯トイレは使わずに済んだ。 旭岳ビジターセンターを覗いて今日見てきた高山植物などを復習した。昨晩のキャンプ場に連泊することにした。

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第11日目(7月15日 東川町〜占冠村)

目覚めると,またまた,雨だ。今日は美瑛と富良野で花を愛でようという予定だ。先ずは美瑛に向かう。JRの美瑛駅と道の駅「びえい 丘のくら」を訪ねるが早朝とあってまだオープンしていない。

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ガイドブックを頼りにまずは「ぜるぶの丘・亜斗夢の丘」を訪ねる。ラベンダーやひまわりが咲いているがなんとも寂しいのは雨のせいか?

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次に「四季彩の丘」に行ってみた。ここではトラクターバスに乗って園内を回った。こちらの園内はまぁまぁの見所があった。しかし,いずれも栽培園芸種の花々で,旭岳の高山植物を堪能した後では「何かねぇ〜」という感想だ。

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前田真三の写真の展示館「拓真館」でしばし雨宿りを兼ねる。前田真三と美瑛は、その昔、カメラに凝っていたころ美瑛の麦秋、ラベンダー、緑の農作物のトリコロールの写真に感激したものだった。残念ながらその写真は展示されてなかった。記念に雑誌を求めた。こんな光と色の景色が見れなくて残念だが,自然には勝てない。

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次いで、富良野に向かう。先ずコインランドリーで洗濯しながら昼飯をとった。雨続きでそろ着替えが心配になってきたのだ。

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雨だし、ラベンダーもイマイチのようだがファーム富田に行く。駐車場から歩くと富田メロンハウスだ。ここはラベンダーのファーム富田とは違うようだ。

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ファーム富田は20年前とはだいぶ拡張されていた。丘の上からはオモチャのようなJR富良野線の列車がラベンダー畑駅(臨時駅)を走っているのが見える。周りの観光客は中国人ばっかりで,大きな声で騒いでいるのでそれと分かる。

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丘を降りて行ってみると,トラディショナルラベンダー畑なるものがあった。ここが20年前に尋ねた畑かもしれない。

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富良野を発って札幌の先輩の墓参に向かうが,眠くなり,途中の占冠村(しむかっぷ)の道の駅「自然を体感しむかっぷ」で車中泊に予定変更する。湯の沢温泉「森の四季」で温まって眠る。

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第12日目(7月16日 占冠村〜島牧村)

大学時代の先輩で佐賀時代を共に過ごしたN氏がこの1月に急逝した。奥様が咽頭癌で入院中の出来事だった。葬儀の参列も固辞されたので弔電だけで済まさざるを得なかった。苫小牧に着いて奥様と連絡をとり,今日の日にお宅にお邪魔して霊前にお参りしてすることとなった。 時間はたっぷりあるので高速道路は使わずに下道を走った。そういえば,北海道の高速道路は無料区間が殆どだった。一般道も高速道路並みに信号は殆どなく,お陰で,何回めかのガソリンを補充した区間では燃費が30km/ℓを記録したこともあった。もっとも,車は1500ccのハイブリッド車ではあったが。 何も無い夕張の街を抜けて長沼町の道の駅「マオイの丘公園」で休憩した。ここには8店の農産物直売所が軒を連ねていて,その内の一店でソフトクリームを食べた。

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早めに札幌入りしたので札幌市内の国営滝野すずらん丘陵公園に立ち寄った。渓流ゾーンを変形タンデム自転車で回って,炊事場で冷や麦を作って昼食とした。

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訪問する時刻になったので南区川沿のN先輩宅を訪ね霊を弔った。こんなかたちで再会するとは。

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N夫人とは同郷の出身でカミさんも佐賀では家族の付き合いをした仲だ。夫人はガンの手術で喉頭取ってしまったので筆談であれこれと昔の思い出を話した。その中で「積丹半島の海は積丹ブルーと言ってとても良いところだから是非とも訪ねて」と言われた。それで急遽そちらに回ることにした。積丹岬の島武意海岸のシャコタンブルーは,天候がすぐれずイマイチだった。

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ここで,カミさんと口論になりクルマの運転をカミさんにあずけ,助手席で無言業を続ける羽目になった。島牧村のYHに宿を予約してあったのが,急遽,積丹半島に回ったので時間が足りなくなったしまったのだ。カミさんの運転は高速道路を走っているかのような恐ろしいほどのスピード運転だ。なんとか,30分遅れで無事に島牧村のユースホステル「ネイチャーイン島牧」に到着した。ホステルの夕食はアイナメの焼き物、ヒラメ・イカ刺し・ウニ、ウド・ツブ貝のヌタ、エビ・アスパラ・ウドの天ぷら、ヒラメの吸い物などの豪華版であった。ツブ貝のコリコリ食感が堪らなかった。

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第13日目(7月17日 島牧村〜大間町)

ユースホステルでの朝食は和食だ。車中泊をしていると,いつものように,パンとコーヒーのヨーロッパ朝食なので和朝食は新鮮だ。ホステルの内部も木を多用した落ち着ける雰囲気だ。とても快適なYHであった。

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カミさんの運転で江差に行った。今日も雨だ。江差の見所は箱館戦争時の(復元された)開陽丸の歴史博物館と開陽丸青少年センターのようだ。しかし,昨日の喧嘩が続いていて,自分は興味を示すことができないので見学はパスした。お昼時になったので名物というニシン蕎麦を食べた。しかし,ニシンはともかくソバが全く美味くない。 今日で北海道の旅を終えて帰路につくことになったが,コースは苫小牧〜大洗を取らずに陸路を走る予定のようだ。まずは函館に走り函館から大間にフェリーで渡ることにする。

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大間崎の無料キャンプ場「大間崎園地テントサイト」に車中泊した。

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第14日目(7月18日 大間町〜普代村)

大間では名物のマグロは遅い到着と早い出発のためにありつけなかった。朝方はまだ雨が降っていた。カミさんの予定にはなかったが,下北と言えば何と言っても恐山であることを宣言して,恐山菩提寺を参拝することになった。恐山菩提寺は延命地蔵菩薩を本尊とする曹洞宗の寺だ。昨年の今頃亡くなったN山さん、札幌のN先輩,母と2匹の愛犬の霊を弔った。

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立ち込める硫黄の臭いの荒涼とした岩場に点在する地獄めぐりをする。賽の河原にはケルンのように石が積まれていて,あちこちで風車がカラカラと回っていた。

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八角円堂には亡くなった人の遺服(?)が祀られている。ちょっと異様な光景だ。

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地獄のような光景ばかりでなく,極楽浜から眺めるエメラルドグリーンの宇曽利湖もある。浜では石を積んだ側にお菓子などを供えて,湖に向かって合掌する人々の姿が見られた。

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境内の恐山温泉に浸かって体を温める。とても心地よかった。イタコの口寄せを横目に恐山を後にした。いづれ自分もここで誰かに弔われるのだろうか? 今の喧嘩状態と霊場嫌いなカミさんは…

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むつ市のお土産市場で貝焼き定食とホタテ丼に舌鼓を三たび打つ。

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2年前に八戸から歩いた,第1回みちのく潮風トレイルの蕪島,蓑毛崎展望台,種差海岸を訪ねた。当時は1週間をかけて歩いたところを数時間で辿った。

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今晩は北緯40度の普代村の黒崎園地オートキャンプ場に泊まる。どうやら我々だけの貸切のようだ。黒崎展望台,黒崎砲台跡,北緯40度シンボル塔などを観た後に夕食をとる。夕食後は近くの国民宿舎くろさき荘の風呂に浸かっておやすみなさいだ。

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第15日目(7月19日 普代村〜石巻市)

三陸を南下し,田野畑村の北山崎のヤマセに煙る絶景を見る。北山崎展望台からは標高差200mの大断崖,波に侵食された奇岩や海食洞が望めた。遊覧船で海からの展望も楽しめるそうだが,この季節のヤマセではどうだろうか?

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南下を続けると痛々しい明戸海岸の震災遺構に出会った。第1回目のみちのく潮風トレイル(八戸〜久慈)では見ることはなかったが,第2回目のみちのく潮風トレイル(宮古市北部〜中部)ではこのような遺構に出会っている。

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2年前の第2回みちのく潮風トレイルで訪ねた田老の津田時計店を再訪する。店主としばし歓談し,道の駅が新設されていて確実に田老地区の復興が進行中であることを知る。だが、店主の「どこまでやったら復興したといえるのか」の言葉で考えてしまう。

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国道45号には至る所で(低い地点には)被災区間を示す標識がある。このような区間の国道45号線沿いの地区はまだまだ復興の真っ最中だった。津波に襲われた小学校の廃墟が残っているのが痛々しい。

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釜石に移動し,駅近くの「みや川」でお昼を取る。順番を待っていると,釜石シーウェイブスRFCのラガーメンに出会えた。カミさんは丸太のような腕に触って満足そう。結婚した頃はカミさんとよくTVで新日鐡釜石ラグビーチームの活躍を見たものだ。そうだ,釜石は来年のラグビーワールドカップ2019の会場にもなっているんだ。釜石鵜住居復興スタジアムはもうすぐ完成すると言っていた。

刺身定食と四季膳のステーキに頬も落ちそう。

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ランチの後は鉄の歴史館を見学する。郊外には世界遺産となった橋野鉄鉱山があるがパスして南下を続けた。

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今宵の宿は河北ICを降りた「上品の郷」道の駅だ。併設されているふたごの湯に浸かった後はレストランで夕食をとった。ここまで来てようやくカミさんとは会話が増えて,喧嘩状態も回復しつつある。

第16日目(7月20日 石巻市〜つくば)

昨日までの三陸道は切れ切れながら国道45号線に沿って走っていたが,今日は三陸道の河北ICから仙台まで一気に走れた。これらの三陸道は無料になっていた。仙台から常磐道に入ると放射線量を示す掲示が各地にあらわれる。すれ違うトラックは除去した土をはこんでいる。まだまだ3.11のインフラ復興は続いていた。しかし、田老の道の駅の新設や釜石の来年のラグビーWC会場の建設など明るい話題も見聞きしてきた。

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昼過ぎにつくばに帰り着いた。熱帯植物園を覚悟した我が家は、意外にも、窓を開けて風を入れたら住めそうだった。 2週間の北海道、東北の車中泊・山登りの旅も終わった。東北も梅雨明けということだ。

 

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