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毎日サンデーの爺さんの自転車,ハイキング,旅行などなどの記録

9月 162019
 

2019年9月15日(日)

73歳の誕生日を迎えたその日は取手競輪場での取手サイクルクラブの自転車トラック競技の練習会があった。ウォーミングアップを兼ねた周回練習のあとで400mTT(タイムトライアル),200mFL(ハロン,FTT フライングタイムトライアル)とエリミネーションが実施された。数週間だが筋トレの成果が出たのかも知れない。筋肉が太くなったというよりもサボっている筋線維の動員が増した,つまり神経の効果だろう。200mハロンが14″04のシーズンベスト(ここ数年でもいいタイム),400mタイムトライアルが34″24の自己ベスト(2016年2月以来)が出た。しかし,エリミネーションは集団から離れしまい半分位で終わってしまった。

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翌日の敬老の日はカミさんと会津方面に出掛けた。会津のホテルに泊まって誕生日のお祝いをやろう,と予約してくれた。ついでに自転車で桧原湖一周と日本百名山の磐梯山登山を計画した。しかし,数日前からの天気予報は思わしくなく,二日目の磐梯山登山だけに期待を込めて出掛けた。案の定,16日の敬老の日は雨だった。

2019年9月16日(月)

8時に自宅を出て雨の常磐道・磐越道を走り猪苗代磐梯高原ICで降りた。時間はたっぷりあるので,お昼が食べられるかと道の駅「猪苗代」を覗いてみた。しかし,お気に召すメニューはなく,道の駅にしては高価格なのでヤメにしてパンフレットを頼りにち近くの蕎麦屋に向かった。いわはし館という蕎麦屋は,カミさんの記憶では,数年前に長男の嫁が孫とのお遊びのフォーレストアドベンチャーに誘ってくれた時にも利用したというところだ。が,自分には全く記憶がない。注文した五段蕎麦は5種類の薬味(葱と七味,ごまとくるみ,しいたけと柚子,ひき割り納豆,大根おろしとたかの爪)で食べるというものだ。自分は最初の葱と七味が新鮮な味でもっとも旨かった。

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お腹が一杯になって近くの野口英世記念館を見学した。2015年にリニューアルしたという記念館はえらく立派なつくりだ。小学校での優秀な試験成績,医師免許証,実験器具,蛇毒に関する研究ノートなどが展示されている。カミさんは英世ロボットのお話に聞き入っている。自分はこの記念館で紹介している野口英世の光の部分が,その昔「からだの科学」で読んで頭のどこかにこびりついている,陰の部分と対比されて素直な気持ちで見ることができない。「もっと素直になったら?」とカミさんが言われそうで口には出さなかったが。

渡辺淳一の「遠き落日」はより詳しく野口英世の生涯を描いている。前半部分を読みながら,呆れ返ってそして彼の人格に嫌気がさして何度も本を置こうとしてしまったほどだ。あの借金魔で荒過ぎる金遣いの彼が1000円札に描かれているとは皮肉としか言いようがない。しかし,後半のアメリカや海外での活躍(?)の部分になると,かつて医学生物学徒の端くれであった自分にも,完璧なデータを取るために試験管洗いから顕微鏡切片づくりまで彼自身がやったことは十分に納得できた。しかし,黄熱病の検体から自身の手で試料を直接に採集できなかったことは,彼自身が切歯扼腕したように,大きな痛手であったろう。そして,論文も書き上げたら一晩寝かせてじっくり検討したら,とも感じたが彼のあのADHD(注意欠如多動性障害)特性の人格からはムリだろう。

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記念館の敷地の中に200年前の野口英世の生家が保存されている。かなり大きな農家であったことが驚きだ。英世が落ちて火傷をしたという囲炉裏も残っている。それにしても母の力は偉大だ,という感想は素直にでる。

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記念館を出ると雨は小やみになっていた。「猪苗代湖を見てみたいね」とカミさんと話し記念館の裏手を散策してみたが湖までの400mは葦が生い茂っていて湖畔まで行くことができないようだ。で,猪苗代湖遊覧船方面にクルマで行って見た。ここも再びの雨に湖畔の景色は煙っていてよく見えなかった。ここ表磐梯からの磐梯山も雨の中に全く隠れてしまって,その雄大な姿を拝めなかった。宿のチェックインにはまだ時間があるので,五色沼を散策することにして猪苗代湖を後にして裏磐梯に向かった。

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毘沙門沼の駐車場から桧原湖まで続く五色沼自然探勝路を歩いてみた。毘沙門沼は五色沼では最大の沼で,この部の探勝路も長い。毘沙門沼の外れ辺りまで来ると「見て,見て」とカミさんが驚きの声をあげる。水面から大きな緋鯉が顔を出している。「ずいぶんと不細工な顔だね,餌をねだっているようだね」と自分。数歩進むと大きな白い鯉や真鯉がまたまた寄ってくる。湖面の向うに磐梯山がちょっと顔を出しているのが見える。

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赤沼とあるが水は青色をしている。次の深泥(みどろ)沼は緑がかった色だ。散策路の半分ほどの竜沼にはクマ避けのベルが,実験的に,置いてあった。やさしく2,3回鳴らす,とあるのにガランガランと大きな音を奏でるカミさんだ。

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ここで戻ろうとしたところに向こうから来た2人連れのお嬢さんと出会った。「これから毘沙門沼まで歩いてバスで宿まで戻るつもりだが果たして発車時刻に間に合うかどうか分からない」という。訊けば,我々と同じホテルに泊まるのだそうだ。そこで,我々はここから引き返して明朝に残りの半分の散策路を桧原湖側から回るつもりであり,クルマを毘沙門沼駐車場に置いてあるので送りましょうか,と提案をした。「助かります」と受け入れてくれたので毘沙門沼まで同行することになった。お陰で,久しぶりのツーショットを毘沙門沼で撮ってもらえた。

ホテルにもどる途中の裏磐梯ビジターセンターに立ち寄った。館外の倉庫の雪は,冷気を導いて夏場の館内の冷房に使うそうだ。1881年(明治21年)の磐梯山頂の北側の小磐梯山の大噴火で流れ出した溶岩は桧原村を覆い尽くした。溶岩が川を堰き止めた結果,現在に見る幾つかの湖(桧原湖,小野川湖,秋元湖)や五色沼が誕生した。そして磐梯朝日国立公園に指定された裏磐梯は一大リゾート地になった。まさに磐梯山は「宝の山」だ。その陰にはおよそ500人の死傷者,50数頭の牛馬の犠牲があった,という。

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宿泊するホテルの裏磐梯レークリゾートに着いたのは5時を回っていた。お嬢さんがたはリッチな迎賓館に泊まるそうだが,我々はバイキングプランで本館の方に宿泊だ。先ずは温泉に入って暖まる。夕食の食べ放題のバイキングに飲み放題を追加した。改めてカミさんからの「誕生日おめでとう」と祝福があって乾杯した。「そろそろ,この歳では食べ放題,飲み放題はムリだな」と言いながら,和食,中華,洋食,郷土食にビール,梅酒,白桃酒,デザートをしこたま飲み食いしてしまった。あぁ,明日は天気になってもらいたいものだ。

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2019年9月17日(火)

期待通りの晴天の朝を迎えた。朝食前に昨日の五色沼自然探勝路の後半を散歩した。柳沼から,熊避けのための拍手と呼び声を出しながら,白味がかった青沼へと進む。るり沼は奇麗に澄み渡っていた。弁天沼越しに磐梯山がくっきりと見えた。「あそこまで登るのか」と気合いを入れる。この先は昨日の竜沼なのでここで引き返すことにした。

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朝食もバイキング形式だ。キツイ山行に備えて和食と洋食の両方をたっぷりととった。昨晩の反省はまったく生かされてない。ハイキングの支度をすませてホテルをチェックアウトして登山口の八方台に向かう。

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磐梯山ゴールドラインの八方台駐車場はすでに1194mの標高だ。ここから1816mの磐梯山頂までの標高差622mを5時間かけて登る計画だ。登山計画書をボックスに投函して9時15分に入山した。

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ゴールドラインを渡った登山口から歩き始める。ブナ林の中の緩やかに登る道を歩いていく。やがて道は,昨日の雨のためにグチャグチャになってきた。そこを越えると視界が広がってきた。

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数棟の朽ち果てた小屋のある庭園のようなところに出た。ここが標高1310mの中ノ湯跡だ。地面からはブクブクと泡がでていて,硫黄の臭いがする。ガイドブックの行程通りの30分の道程だった。

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中ノ湯跡を迂回する滑りやすい木道に注意しながら進む。エゾリンドウが「私に見とれて足を滑らさないように」と語りかける。その先にはタマアジサイのお出迎えが。10分ほど,露岩に苦労しながら,やや急な道を登ると稜線に出たのか視界が開け小野川湖と秋元湖が見えた。左手には木々の間に桧原湖が望めた。

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さらに木立を縫って登ること10分でより大きく視界が開けた。裏磐梯高原のイメージが眼前に具体化されている。左には,昨日の雨がなければ自転車で一周する予定だった,桧原湖の全貌が見える。湖の右隅には,お泊まりした,裏磐梯レークリゾートも見える。

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ちょっと急な岩だらけの道を下って,右側に虎ロープが張られ,木の根が歩きを邪魔する道を進む。またまた虎ロープが張られた箇所を進み,急峻な登りを越えたところでお花畑と弘法清水の分岐点にたどり着いた。入山してから1時間40分が経っていた。お花が咲き乱れる季節ではないので弘法清水の方に進んだ。

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こんなところまで弘法さんが来たのかどうか知らないが,標高1598mの弘法清水の広場に出た。手前に弘法清水小屋と奥に岡部小屋があって今日は営業している。名前通りの流れ落ちる清水の脇には弘法さんが見守っている。ここから山頂までの急峻な最後の登りの前に一休みすることにする。

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ガレ場からの絶景に暫し疲れを忘れる。1636mの櫛ヶ峰を背景にお互いを撮りあう。カミさんはこの頃,なぜか,ツーショットを嫌うようになった。左手には天狗岩がそそり立っている。一休みしながらカミさんと四半世紀前の磐梯山登山の記憶を確かめあう。九州から転勤してきて職場の同僚にいろいろな遊びを教えてもらった。それでクルマにキャンプ道,マウンテンバイク,カヤック(カヌー)を積み込んで裏磐梯高原の夏休みを過ごすことにした。二人の息子と2匹の犬を連れて小野川湖畔にキャンプを設営した。息子達は,そろそろ親と遊ぶのをうっとうしく思う年ごろで,朝の小野川湖のカヤック漕ぎにも付き合ってくれない。2匹の犬を乗せて朝靄の湖をカミさんと楽しんだ。そして,今回の登山口の八方台から磐梯山に皆で登ったはずだ。しかし,ここ弘法清水にはまったく二人とも記憶がない。ここから眼下に見える櫛ヶ峰のようなところでお昼を食べた記憶がある。だから,これからアタックする磐梯山は我々にとって初の体験なんだろう。

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10分ほどの休憩をとって山頂アタックを開始した。道は岩だらけの急な登りだ。ウメバチソウが「行ってらっしゃい」と送り出してくれる。ストックを突く手に力をいれてカラダを持ち上げて登る。手に付けたAppleWatchが「ワークアウトが終了したようですが…」と通知してくる。Watchをハイキングモードに設定してワークアウトを記録しているのだが,急な登りで歩行スピードが遅すぎるために立ち止まったと認識されたらしい。AppleWatchのおせっかいな通知に腹が立ってくる。Watchの画面をタッチして弄ったらハイキングモードが終了してしまった。この苦しい状況にアホなことを言い出すバカップル(馬鹿アップル)にまたまた腹が立つ。

弘法清水から15分ほどで左手が垂直に切り立った崖に至る。ヤマハハコが「あとチョット」と応援する。低木を掻き分けて進むと山頂を示す標識に出会った。スタートして2時間半だった。標識には1816mの標高とあるが,深田久弥の「日本百名山」には1819mとある。正確な測量のし直しで3m縮んでしまった。ところで,深田の磐梯山の部はあまり面白くない。というのはWikipediaでの深田のとんでもなく酷い略歴に,野口英世のような,醜い陰の部分を感じてしまったことに起因しているのか。はたまた自分が齢を重ねて,ますます偏屈・意固地になったからだろうか。

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団体での登山者がガヤガヤとおしゃべりをする騒々しい中でこちらもお昼をとることにする。今日のメニューはきのこパスタとワカメご飯の牛丼だ。パスタはどうも巧く仕上がらず旨くはなかったが,牛丼の方は絶品だった。次回のメニューにはこの手のものを加えよう。ただひとつ,足りないものはビールだった。そうか,下の山小屋で売っていたかも知れない。

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頂上の三等三角点にタッチして祠に下山の無事を祈願する。山頂からの展望は全くの視界ゼロだ。まぁ,雨の中の登山,もっとも雨が降ったら登らない予定ではあったが),で無かったことで吉としようか。

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山頂で小一時間を過ごして下山を開始した。昨年の北海道でのアポイ岳の下山で転倒したカミさんはことのほか慎重だ。自分も筋トレの効果を過剰に期待することなく,慎重にストックと脚で下山していく。

中ノ湯跡を過ぎて緩やかな下りとなったがここでも慎重に歩く。やがて,道端の小さな祠が出迎えてくれて八方台登山口に戻ってきた。時刻は2時40分だった。

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一汗流そうと裏磐梯レークリゾートに戻り風呂を浴びた。JAF会員割引で一人700円で入湯できたのはラッキーだった。さっぱりした身で下界から眺める磐梯山の山容はとても奇麗に見えた。

歩行距離は5.5km,休憩を入れた所要時間は5時間25分の辛く,楽しく,美味しい山行だった。誕生日登山に付き合ってくれたカミさんに感謝,感謝。

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