朝一番で市の健康診断を受診する予定が入ってしまって，今日が最後の料理講座に間に合うか心配した。しかし，思ったよりも早く健診が終わったので朝食も摂ることが出来て，自転車で講座の会場に向かう余裕すら出来た。が，胃検診で飲まされた発泡剤やバリウム，X線撮影でのグルグル回りそしてその後で処方された下剤と大量の水のお陰でどうにも腹の調子が今ひとつだ。会場に向かってペダルを漕ぐ間も，果たして調理したものが食べられるだろうかと心配だった。
今日が最後の講座ということでセンター長からの挨拶があった。それを聴きながら受講者から「3回じゃ少なすぎるよ，3ヶ月なら兎も角も」なんて声が漏れた。調理台の上にはすでに人数分の具材が準備されていた。今日のレシピは，雑穀米を加えたご飯，チキンの黒酢煮，あったか野菜スープとヘルシーチーズだ。
雑穀米を加えるにあたり，水加減を少し多めにした（袋を見れば書いてある）。焚く時間はそのままで良い。
メインディッシュの4人分のチキンの黒酢煮は，手羽元8本，こんにゃく1枚だ。手羽元の皮は着けたままにしておく。これに煮汁の材料としての黒酢100ml，醤油100ml，水100ml，砂糖大サジ4だ。
まず，こんにゃくを手で一口大に千切って熱湯で1〜2分茹でる。手で千切って切り口を凸凹にした方が，表面積が多くなって味が付きやすくなるとか。茹で上がったらザルに空けて水気をとる。
鍋に煮汁の材料を混ぜて入れて，手羽元とこんにゃくを入れて強火にかける。沸騰してきたらアルミフォイルで落とし蓋をして，煮汁が無くなるまで20〜25分煮る。アルミフォイルの落とし蓋の中央には穴を開けておく。手羽元とこんにゃくの他にゆで卵を入れても好い。また，黒酢の代わりにコーラで煮ても面白い味になるようだ。我が家ではカミさんがマーマレードで煮たりしている。
季節の野菜を添えて盛りつけをする。今回はレタスと，タマネギとトマトだ。
あったか野菜スープの具材は，白菜3枚，えのきだけ1/2パック，（冷凍）ミックス野菜80g，カボチャ60g，ベーコン2枚だ。白菜は1cm幅に，えのきだけは3cm長に，カボチャは皮付きのまま1cm幅に，ベーコンも1cm幅に切る。
鍋に水8カップ，塩少々をいれて，カボチャ以外の野菜類を煮る。野菜が柔らかくなるまで10〜12分くらい煮て，コンソメキューブ1個を入れる。そして，最後にカボチャを入れて煮る。
野菜を煮ている間にすいとんをつくる。材料は小麦粉（薄力粉）55g，片栗粉45g，牛乳100mlだ。講師は，小麦粉と片栗粉の分量は黄金比だ，とちょっと自慢する。これを混ぜ合わせる。
混ぜ合わせたすいとんの具材をスプーンで掬って野菜スープの鍋の中に落として2〜3分煮込んでから，塩で味を調える。この時のキモは，最初にスプーンを濡らしてすいとんの具材を掬う。そのスプーンをスープの中にスプーン半分ほど浸して，抜きあげていく。スープの上からすいとんの具材を垂らすと上手にすいとんが纏まらない。
デザートのヘルシーチーズの材料は，牛乳500mlと酢40mlだ。今度は黒酢でなく，普通の酢を使う。
鍋に牛乳を入れて60〜70℃に暖める。鍋の回りが泡立ち，湯気が立つようになったら適温だ。ここに酢を混ぜ合わせて，そのまま分離するまで置いておく。混ぜ合わせなくとも良い。
ザルにリードペーパータオルを敷いて上の牛乳・酢を濾し取る。ペーパータオルを纏めて，その上から皿などの重しを載せておく。濾し摂られた水分がホエー（乳精）だ。これにカルピスを少し加えて飲むのも好い。こうしてつくられたのがカッテージチーズだ。酢の代わりにレモン汁を使っても好い。
さらにデザートのバナナをおしゃれにカットして添えることにした。バナナを半分に切って，脇から包丁を刃先が出るくらいまで差し込む。この上からもう一本の包丁で切り込みを入れる。包丁を先込んだまま裏返して，同じ方向に切り込みをいれる。は〜い，出来上がり，拍手，拍手。
オレンジは前回と同じようにカット。さらにクラッカーとマーマレードのデザートが付いた。
さ〜て，揃ったところでいただきま〜すだ。
胃検診で舌もおかしくなったか，どうも野菜スープの塩味が足らないと感じた。チキンの黒酢煮ももうちょっと濃い味でも良かったか。もう1本は欲しいところだ。かくして，3回の料理講座も終わった。最後に料理の味付け順序の基本の｛サシスセソ」の話があった。「サ」は砂糖，「シ」は塩，「ス」は酢，「セ」は醤油（せうゆ）そして「ソ」は味噌のソだ。