今年も糸魚川ファストランを走った。旧コースでは3回,新コースでは2回目の参加だ。今年は昨年と少しコースが変わって,岡谷市の山下町2丁目の激坂ショートカットコースが正式(推奨)ルートとなり,上新バイパスが旧道を走るルートに変更された。距離が少し短くなって303kmとなった。
三連勝クラブ・シニアチームからは8名(U原,O崎,S名,T井,T野,T安,N山,F井)が参加した。常連のI田さんは5月連休の糸魚川試走ツーリングと筑波8耐で体調を崩して直前でDNSを宣言して不参加となった。M菱総研からは新人のO崎さんを含めて4人のライダーと2名のサポーターが参加した。いつもの事ながらT口さん,M野さんのサポートカーは大変ありがたくそして心強い。
前夜祭&結団式の会場は山梨市駅前の「のんきばぁーば」だ。精をつけようと馬刺しと馬のレバ刺しがメニューに並んだ。シメはばぁーばの手作りのほうとうだ。放蕩爺さんたちが気炎を上げながら平らげた。さぁて明日は3時20分のスタートだ。空には大きな満月が架かり,明日の好天気を保証してくれている。
昨年は,主催者は何を考えたのか,5時20分という遅いスタートで鉄脚グループに入れられてしまった。スタートして5分もしないうちに置いてけぼりになり一人旅となったのだった。で,今年は申し込み時の泣きを入れてのコメントが功を奏して(?)3時20分という最も早いスタートとなった。しかし,メンバーの殆どは5分遅れの3時25分スタートだ。今年の糸魚川ファストランは記録狙いよりも仲間と楽しく走るをモットーにしていたので,5分遅れの集団に紛れてスタートすることにした。満月が煌々と路面を照らす中をスタートした。
前夜祭でN山さんが鉄脚のI塚さんが走るルートを走ろうと提案した。このルートは悪名高い甲府市街のアンダーパスでの信号待ちを回避する脇ルートだ。しかし,殆どのメンバーは主催者の推奨するアンダーパスのルートを走ることを申し合わせた。で,スタート直後の緩い下りの雁坂の道をひた走り直接に国道20号に向かった。昨年はこの雁坂の道ですでに集団から千切れたのだが,今年は仲間と共に国道に乗り入れられた。
R20に入って直ぐにI上さんが前・後輪のパンクに見舞われたという情報が入った。とくに打ち合わせはしていなかったが,I上さんを待たずに集団はそのまま進んだ。甲府市街はようやく明るくなる時刻だったせいもあって,信号待ちの時間もそれほどでもなかった。昨年のように一人で追いかけるパターンだったら気が急いて,信号待ちでイライラしただろう。
市街地を抜けて釜無川に差し掛かると,今年も甲斐駒ヶ岳がくっきりと見えた。ここでT安さんが単独ショータイムを演ずるというので集団の後ろに下がってT安さんを待って集団復帰した。旧コースの第2チェックポイントであった韮崎市の「まるのや」で揃ってショータイムを取った。こんなにのんびりしていて良いのだろうかと思うが,まぁ,仲間と走ると決めたことだから良しとしよう。
スタートして50㎞を過ぎると富士見峠の登りが始まった。道路改修があったとかで,昨年よりも走りやすくなっているような気がした。仲間と一緒という安心感からかこの程度の登りではまったく問題にならない。
あっと言う間もなく中川原交差点から左折して諏訪湖畔に到達した。岡谷市街に入ると今日の第1チェックポイントのコンビニが見えてきた。心配したようにコンビニのトイレは行列が出来ている。予定したタイムよりも30分ほど遅れているが,皆にペースを合わせてのんびり休み,後輪に空気を入れ足した。
チェックポイントを出ると直ぐに山下町2丁目の激坂が始まった。ここも道路改修があったようで走りやすかったが その分だけクルマが多くなっている。昨年は気が急いていてここで脇道に迷い込んでしまった。今年はここも34x21Tのギアで楽々と登って行けた。激坂入口で信号で集団と別れてしまったが,1.2kmの登りの間で追いつくことが出来た。そのまま塩尻峠に登って行き,下りに入った。昨年は,またまた,この下りで小坂田公園のチェックポイントへの道を間違ってしまったが今年は小坂田公園はチェックポイントではなくなったので一気に降っていった。途中で下りに強いN山さんとT野さんが追い抜いていった。降りきった高出交差点で後続を待って集団を組み直し,松本の街を抜けた。
塔の原交差点で安曇野への道を左に分けて新コースは直進していく。旧コースの安曇野から仁科三湖を走るコースは今でも棄てがたい。
第2チェックポイントの直前のトンネルでU原さんが落車した。心配して先行するサポートカーのM野さんに連絡したが,トンネル出口で少し待つうちに元気な姿で出てきた。幸いにもかすり傷で済んで回収車のお世話にならずに済んだがホィールがぶれてしまった。とにかくもチェックポイント目指すことにした。
第2チェックポイントの道の駅に着いたのは昼時を回っていた。糸魚川ファストラン名物(?)の稲荷寿司を麦茶で頬張っている間に,パンクで置き去りにしてしまったS名さんが追いついてきた。U原さんのブレた後輪をN山さんがスポークを張り直してなんとか修理した。そうこうしているうちに,なんと,30分後にスタートしたF井さんも合流してきたではないか。F井さんは今年は最高齢出場者での表彰が期待されている。80歳でエベレスト登頂を果たしたM氏に勝るとも劣らない,恐るべしF井さんのパワーだ。更に,2時間遅れてスタートしたI塚さんもここで追いつかれた。さすが,さすが。やはり,途中のコンビニでT野さんと爆弾投下の大休止をしたのがタイムをロスさせたのだ。F井さんに一緒に走ろうと誘いかけたが,マイペースでいきたいと言われたので第2チェックポイントを出発して長野市に向かった。
国道19号から18号に入り,妙高高原の登りに入った。昨年はここで完全にイグゾーストしていたが今年は30分から1時間おきに補給を取ってきたので大丈夫だ。しかし,調子に乗って重いギアで登ってきたので左の内転筋がしばしば痙攣を起こすようになっていた。ここでT安さんが先頭を引くことになったが,次第に脚が回らなくなり遅れてしまった。T安さんの軽快でリズミカルなペダリングでのヒルクライムにはまったく付いていけなかった。それでもダラダラと10kmも続く妙高をひたすら登っていって,やがて這々の体で第3チェックポイントに到着した。この頃にはさすがに疲れて稲荷寿司もバナナも億劫になっていた。それでもあと80kmは走らなければならないので,まずいエネルギードリンクを我慢して飲んだ。
第3チェックポイントからはようやくのことに長い長い下りが始まった。ここはもう新潟県だ。飽き飽きするほどに降って上新バイパスの入口の寺町交差点を曲がって市街地に入っていった。昨年は上新バイパスを直進するコースだった。S名さんが機関車になって皆を引っ張り,高田の市街地を抜けて国道8号線に入ると日本海に出くわした。夕陽にはまだまだ時間がある。糸魚川市内に入り,昨年はここで迷子になり大幅にタイムロスしたことを思い出しながら,小さなアップダウンを繰り返して走る。元気なら何でもない小さな登りをインナーギアで登らなくてはならない自分が情けない。と,思っていたら登りの達人のT安さんもインナーギアで回している。もう300km近く走っているので皆疲れているのだ。最後にU原さんに引いてもらいR8を横町交差点で曲がってゴールに向けて最後の力走だ。
ようやくゴールのホテルが見えてきた。時計を見れば5時40分を回っていた。仲間と一緒のゴール時刻を申告したが,自分は5分先にスタートすることになっているので,皆とは5分遅れのタイムとなる。一緒にスタートしたN山さんは妙高の登りで遅れた,I上さんは甲府でのパンクが取り返されず,6人でのゴールだった。
風呂に入って汗を流し,恒例の寿司屋で反省会を開いた。ここにはI上さんは参加しなかった。ゴールして風呂に入ったら気分が悪くなりホテルで待機することになった。どうやらナトリウム不足に陥ったらしい。I上さんは翌朝にはすっかりと回復して,帰りの運転手を務めてくれた。期待されたF井さんの最高齢出場者は残念ながらダメだった。上には上がいるんだ。参加者がそろって完走したということは近年まれに見る糸魚川チャレンジ隊の成果であった。
走った距離は305.68km,掛けた時間は14時間15分58秒,消費したカロリーは7,145kcalであった。
(写真はライダーN山さんとサポーターM野さんによる)